当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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ヴィシェフラド





小さな頃の記憶は、甘くて、温かくて、いつも、いいにおいに包まれていた気がする。



とある、晩、故郷に帰りたい?と。
ふんわりと彼女は笑った。
とろけそうな笑顔。琥珀色の瞳がきらりとひかり、亜麻色の髪がひかりにすけて金色に見える。


その時自分は確か首を振ったはずだ。
イーピンは、綱吉に髪を梳いてもらうのが好きだった。


ランボとイーピンは確かその時、
またバタバタと騒いでお風呂から上がろうとしていたのだ。


綱吉がこらこらとなだめている。
ちゃんと、洋服をきなさい。


夜、沢田家は甘くて、暖かくて、イーピンは大好きだった。
一緒にお風呂に入り、そして髪を乾かしてもらって、
あたたかいココアのにおいがいつまでも記憶に残っている。


「おまえは女の子なんだから、きれいになって、可愛いカッコをしなきゃだめなんだって」

綱吉自身がそうしてないのに、説得力はないのに、
10年後にいくといつもそう、言われたとかで、
イーピンにはいろいろと気を使ってくれるのだった。

そんな家が、大好きなのだった。


どうしてそんなことを聞くの、とまだ日本語をしゃべれなかったイーピンは、母国の言葉でそう、問うた。

「ちょっとね」
母国語を、理解していたのだろう、綱吉がわらった。

そのときの記憶に、なぜかリボーンの姿はない。
そして綱吉と、ママンと、フゥ太と、ランボと。
温かい家の記憶しか、ない。

そう、確かあれは、小学校に入学した年。










10年バズーカが自分に当たったのだ、と理解するのに時間はかからなかった。
過去自分が何度か未来に飛ばされたとき、死んでいた(と偽装されていたのか、本当だったのか、今となってはもうわからない)こともあったし、確実に生きているときもあった。
それでも未来はいくつか改変されている、と確実に知っている。
であれば、飛ばされた先の未来は、いくつか分岐する可能性をもった、ひとつの終着点でもある。

「・・・・」
その空間には、自分が一人だった。確実に日本ではなかった。
どこかの古い大きな建物。広くて古い部屋。古びた大きな重厚感のある机に、座っている。
何度か、渡伊した先でみた、屋敷とも異なる。
窓の外には地面が見えない。

すこしまわりをみわたして、そしてそこに誰かに人の気配があることを知って、
綱吉は慎重にすわってた机から立ち上がる。ふわふわとした、長い足のラグは音を吸い込んで、そこには何の音も残らない。
窓から外を見遣る。深い森と川が下に見える。どうやらここは城の上、そして崖の上でもあるのか、やや高い位置。

机の上には書類がみえる。イタリア語。ここはどうやら自分の執務室らしいことと、自分は変わらずどこかでボスをやっているようだ。
扉をノックする音が聞こえて、綱吉は身構えた。
失礼します、とイタリア語が聞こえる。どうぞ、とも言うに言えず、沈黙を守る。外で何か会話が聞こえる。
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by kanae-r | 2010-01-20 12:53 | Ma Vlast>r ♀27 | Comments(0)