当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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かんおけの綱吉 1

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パラレル



仕方がない、とリボーンはつぶやいた。
守護者達はごくり、と息をのんだ。
顧問役のような仕事をするリボーンと、主を守る守護者。それは”高い城”と呼ばれるボンゴレの主を守るものたちである。
あたり一帯の自治を行うボンゴレでは、事実実務を負う者たちは幹部であり守護者であった。当主が出てくることはここしばらくなかったのである。

バジルは先々年に親方様のところからボンゴレの”高い城”で綱吉に仕える許可を得たばかりで、いまだ綱吉の姿を見たことすらない。
何十年と遣えているものの中にも、その姿を見たことがないものは非常に多かった。
―当主の綱吉様は我々のような下賤の者がお目にかかれるような方ではないのだ―台座の上、黒光りする棺桶が荘厳な趣で存在している、それをみやりながら召使達は言う。

棺桶の中に眠るのは、世で最も恐るべき人。当主の綱吉様。


バジルは名を呼ばれ面を上げた。
緊張しながらリボーンや守護者と共に、大きくてがらんとした部屋へと脚を踏み入れる。
冷え冷えとしたそこは一歩進むなり、体の芯まで凍えてしまうような気配で満ちていた。
すい、とリボーンは一人前に進み台座に上がり、重くて重厚そうな棺桶のふたに手をかけ、
もちあげ取りあげた。

ふわ

と、

花の香。

守護者の面々が、互いに何かを話していたが、バジルにはよく意味がわからない。
とりあえず、中を恐る恐るみると、予想に反して中には人が見えず、花ばかりが埋め尽くされていた。

獄寺に、「この中に?」と問うと、そうだ、と彼はつぶやいた。
主を敬愛してやまない彼は、どこか苦痛に耐える表情をしている。以前綱吉について尋ねてみたところ、立派な方、誰よりも気高く、強くて美しい方、とか、美辞麗句ばかりが返ってきた。
そのときあきれた顔で雲雀が見ていたのをしっていたし、同席していた山本は明るく笑っているばかりであった。
今日半月ぶりに姿を見せた骸も、うれしそうにはみえなかったが、彼を良く知る守護者達いわくとても機嫌が良いとのことだ。彼もまた主が大好きなのである。
ランボは骸からなるべく離れるようにして、びくびくしているが、笹川は特に屈託なく骸に話しかけていた。
これから長い付き合いになるであろう彼らを見渡して、そして獄寺の合図で、台座に彼らの指輪をはめ込むのをみまもる。

リボーンがバジルに説明した。
「凍っているからだをとかすんだ」
端麗な顔からは何もよみとれない。何分たったろうか、もぞ、と花が動く。
バジルは身をこわばらせた。
もぞもぞ花がうごめき、溢れて棺桶からおちた。

むくり、とおきたのは
茶色の髪をした、透き通るばかりの東洋系の白磁の肌をした、青年。琥珀色の瞳がぐるりとまわりをみわたす。
身なりのよさそうなシャツにリボンタイが絹独特の黒味をみせ 光る。
ふる、と頭を振った際に、付いていた花がばらばらと落ちた。
ふんわりというにはいささか強烈な花の香りがバジルの元まで漂う。
酔いそうだ。

「綱吉」
当主の名を呼んだリボーン。琥珀の瞳が黒衣の少年に注がれた。強い色の光だ。
「何」
不満とも、怒りともとれるような声音。バジルはますます身を強張らせた。
地上最強にして最恐と恐れられるにはいささかやさしく、甘い顔立ち。細い容姿だ。
「力を貸してほしい。俺らには手が負えねーんだ。」
ぐるりともう一度守護者達の姿を見、そして最後にバジルに目をとめた。
「・・誰?」
「・・・は、拙者バジルと申します。」
「新しい綱吉の顧問役だ」
「・・そう、よろしく」
にこ、と笑まれてあわててバジルは深く礼をした。
どこかひやりとする笑みである。
「・・あれ、骸がいる」
「貴方を起こすのであれば僕が向かわないといけませんから」
青年が珍しく笑う。
当主は棺桶からゆっくりと、凝り固まったからだをほぐすように立ちあがり、花をばらばらと撒き散らしながら外へでた。獄寺が持っていたコートを綱吉の肩にかけると、それだけで彼は王者然としているのがわかる。
「だれも死んでないね」
守護者六人に言えば、六人はそれぞれ微笑したり無表情だったりした。そしてリボーンを見やり、その頭に手をぽんと乗せる。普段は誰にも触らせないのに、とバジルは驚いた。
無表情のままリボーンは黒い瞳を綱吉に向ける。
「で、どうしたの?」
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by kanae-r | 2010-01-23 07:57 | parallel>reborn | Comments(0)