当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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祝福のつもり







「時々、おれ 思うんだ。尚隆はもう生きることに飽いてるのかもって。もう雁を滅ぼしたくなってるのかも、って」
うつむいた顔は、ひどく悲しそうにゆがんでいる。
「新年が来るたびに、今年かも、今年かもって不安になる。だけどまた今年も一年たつんだよ」
陽子は雪原で遊ぶ子供達を見ながら六太の隣に腰を下ろした。真っ白な雪原が目に痛い。
「王はいつか国を滅ぼすんだ」
痛々しく吐き出された言葉、いかにも麒麟らしい。
「それはそうだろう」
いつか終わりがくる、貴方のところにも、私のところにも。
「陽子は王だからわからない」
明るい金色の髪を持った少年は、苦く笑う。それがはかなく見えてしまうのは、麒麟だからだろうか。
ただ一人の為に命があって、ただ一人の為に命を捨てる麒麟。
かつて、彼も人であったはずなのに。
「六太くんは延王を信じていない?」
「・・心の奥底では信じてるさ」
ただ、不安ばかり。
長い長いときを生きているのに、子供のように不安になる。もしかしたら500年、何も成長してないのかもしれなかった。
「六太くん・・?」
長く黙ってしまった延麒の頭に、陽子が手を載せた。
なでてくれる手に、少しの時間甘える。
「少し、反省しました。私も景麒に不安を与えてるのかも」
「そうだぞ、麒麟には王しかいないんだ」
みんなそんなこというなぁ。人事のように陽子は言う。
「まったくおまえは」
はぁ、とため息をつくと、くつりと笑って陽子は延麒の頭を抱き寄せた。
「大丈夫ですよ、六太くんには私がいる」
「ほんとうかよ」
「最期まで看取りますから。延王と一緒に」
思わず顔を上げた六太のほほに、陽子は口を寄せる。

祝福だろうか、六太は笑顔になった。
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by kanae-r | 2010-01-23 08:36 | sss>12 | Comments(0)