当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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1 さみしさ押し込め、自由を手にする

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お互い、便利なのは、超直感でお互いのことがわかっていたことかもしれない。
お互い、不便なのは、お互いのことは直感でわかってしまうから、言葉にしてこなかったことかもしれない。

いつ、気付いたかというと、ある程度稼業が落ち着いてきた頃。綱吉は鈍感だったから、直情的なザンザスに気付かせてもらった、という形が正しい。
遠い縁かもしれないが、血が近しいわけではない。
だからこそ、結婚に反対するものはいなかったし、ボンゴレの血を望む年寄りたちは二人の縁を喜んだ。反対に綱吉に近しかった守護者や、家庭教師は反対したけれども、ヴァリアーの面々はとても喜んだ。何より喜んだのは獄寺とスクアーロで、これで平和になる、と喜びをあらわにしたものだった。
出会ってから、幾年が過ぎた。
出会ってから、それでも言葉にしてこないほうが多かった。

今、綱吉はそのことを後悔している。



「おかえりなさい」
大きな毛布に包まれ、綱吉は眠い目をこすりながら、仕事から帰ってきたザンザスに声をかけた。ベッドサイドのオレンジ色の温かい光を灯す。
「遅くなった」
ジャケットを脱いで、ザンザスは綱吉の顔を覗き込む。綱吉が腕を伸ばすと、ザンザスが抱きしめてくれる。
(・・血の匂いだ)
「わかるか」
あ、また伝わってしまった、とおもいながら、綱吉はうなずく。そして眠気に耐え切れず目を閉じた。
彼女もまた、とても疲れていた。遠くで、シャワーを浴びている音がする。
(ことばに するのも だいじなのに)
夢と現実の境をたゆたう。きっと自分はとてもさみしがりやで、ひとりがつらいのだ。



「ツナ」
声をかけられ、綱吉はころりと転がった。そのスペースに大きな身体が入り込む。一人でなく、二人で寝ることに最初なれなかったのはザンザスだった。彼はいつだって一人で生きてきたから。
自分は中学生のときから、家は騒がしく、イーピンだったりランボだったり、たまにリボーンとか、だれかが布団に入り込むことが多かった。いつも誰かと一緒だった。
背後から暖かな腕が包み込む。綱吉はもう反転して、胸の辺りに顔をうずめる。
(――――)
言葉にならない、キモチが伝わる。ああ、自分は愛されている。彼の力になっている。
けれど、言葉にしないと、いけないことだってあるのだ。
きっと自分はとてもさみしがりやで、ひとりがつらいのだ。
「―――」
今、ザンザスは何かいっただろうか。それとも心の声だろうか。
未来はどこへ行くのだろう。今はふとんの中でまどろみの中をたゆたう。



すこし、おもったのは、
愛されないことはかなしいこと
それくらいなら、いっそ―――
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by kanae-r | 2010-02-01 16:28 | 夜に恋して5つのお題>r ♀ | Comments(0)