当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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5 いとしき闇は、意外にやさしい

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ザンザスは湯船から抱きかかえ、身体を拭き、柔らかいブランケットで包み、そのままベッドの中に綱吉を運んだ。
シャマルが調合した薬を飲ませる。沈静作用のある薬。これで幾分楽になるだろうか。
瞳が柔らかくゆれる。伸びた亜麻色の髪はしっとりぬれている。シャツを羽織り、髪を乾かすためドライヤーを取ってくる。身体に力が入らないのか、頭をひざの上に乗せてもそのままぐったりとしている。柔らかい髪が手のひらに絡む。つややかな亜麻色。化粧や洋服や宝石のいらない、内から輝く美しい女だった、今まで出会った誰よりも。
「しあわせ」
ぽつりと綱吉が言う。猫か犬になったみたい、という。そんなものか。
「ひとりじゃ、さむいよ」
立ち上がったザンザスに、追いすがるように言う。熱で浮かされて、本音が出てくるのか。瞳が潤んでいる。
ザンザスは髪をなで、そして同衾するために、部屋に鍵をかけた。
大きく柔らかい毛布の中で、自分よりも小さな綱吉を抱き寄せる。一人で寝ることよりも、今では二人で寝ているほうが落ち着くようになった。
「・・・ほんとうは、さみしかった、あいたかった、もっといっしょにいたい、おれ以外のおんなのひとを、だかないで、すきにならないで、おねがいだから、ひとりにしないで」
ぎゅう、とまわされた腕に力が入る。ようやく、声にだせて本音を言えた、とその心が叫んでいる。
「・・大丈夫だ、ツナ」
口付けをひとつ。唇にも、目の辺りにも、しずくをひろう。
「だから、泣くな」
ぽろぽろ子供のように、綱吉が泣いている。
優しく優しく、壊れ物を扱うように。
「・・・・ザンザス、抱いて。おれ、こどもがほしい」
応えず、強く抱きしめる。
ザンザスが困ってるなぁ、と綱吉が泣き笑いで言った。
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by kanae-r | 2010-02-01 23:34 | 夜に恋して5つのお題>r ♀ | Comments(0)