当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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02 くれないを背に

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「ツナ」
呼ばれて綱吉は振り返る。伸ばされた腕に身体を預ける。風が吹く。ドレスがはためく。
平和な一日だった。何もしないことをあえてのぞんだので、特に予定はない。もしかしたらザンザスは暇をもてあましてつらかったかも知れない、と思った。
「昼間は苦手なの?」
「こんな明るいところで、何もなく過ごしたことがない」
ザンザスがいつもと変わらない格好をしていたものだから、綱吉が半強制的にラフな格好をさせたのだった。それで少し居心地が悪いようだった。
よるはもうすぐそこにある。慣れ親しんだ、やわらかなやみ。からだにまとわるやわらかなよる。

ん、と背伸びをする。
唇が触れ合う。だれかひとりのことをあいするということは、とてもしあわせなことらしい。
血がめぐる。生きている。だからこそ、だれかのあたたかさを感じる。
砂浜に裸足で立つ。漣がすぐそこにある。

「戻ろう」
ザンザスの言葉に綱吉がうなずく。








ただいまーと明るい声に屋敷はすぐ明るくなった。太陽のよう、明るい空気を運んできてくれる綱吉。誰しもが帰りを待ちわびていた。
「リフレッシュできましたか?」
獄寺は綱吉の荷物を預かりながら聞く。
「うん!ありがとうね、すごい楽しかった」
輝くような笑顔を見て、獄寺は本当に幸せな気持ちになる。彼の主が幸せであることこそ、彼自身の幸せであることだった。
今では仲睦まじい二人で、綱吉が穏やかでいれることが、獄寺はうれしい。中学生の頃は殺し合い、憎しみあっていたのに。
休暇を経て、そしてまた再び綱吉は戦場へ立つ。スーツを着た主が部屋から出てくる。獄寺は隣へ立つ。その双眸はいつだって焔をまとっている。

溜まりこんでいた資料に裁可を下しながら、綱吉は山本の言葉を反芻した。
「今日?」
「そうなんだ、今日出ないともう被害が出るかもなって」
基本的にヴァリアーと綱吉の仕事場がかぶることはない。なぜならば、隠密で動くのがヴァリアーだからだ。
だけれどもエリア的に綱吉の行き先と近かった。これは抗争に巻き込まれるかもしれないなぁ、そう思う。
それでも、身体を動かすことに、嫌な気持ちはなかった。そう、ためらいはない。



屋根の上で気配を殺し、合図を待つ。隣でマーモンがぐずぐす鼻を鳴らしている。比較的近くに、同じ色の焔の気配を感じて、ザンザスは少し気持ちが高ぶった。
今日綱吉がこの近くに来ていることは知っていたが、直感の力はすごいもので、最近接に其れを感じている。
皮膚の下で焔がくすぶる。温度が徐々に上がっていく。当時、ザンザスは綱吉を殺そうと思っていた。憎んでいた。ボンゴレが憎く、壊したかった。いつの間にか憎悪の対象が綱吉へと変わり、憎悪に支配が混ざり始めた。支配はやがて占有になった。占有はいつの間にか恋慕のような色になっていた。
しばらくお互いに気付いていなかったので、ずっと憎しみあっていると思っていたが、それでも超直感とは便利なもので、しっかりとザンザスは気付いていた。最初から憎悪だけではなかったことも。
それでも今猶心のどこかで、抱きながら、綱吉を下に押さえつけることに、快感があるのだ。これは恋慕だけではないのかもしれない。

さぁ、闇が訪れるまで、もうまもなく。
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by kanae-r | 2010-02-07 05:43 | 空色5題>r ♀27 | Comments(0)