当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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03 息をひそめて、微笑んで

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綱吉は息を潜めている。
金属質の匂いが鼻を突く。血の匂いだ。
遠くで爆音が聞こえる。でも今、この広間には、自分と、骸、そして小さな子供しかいない。

自分から流れている血が、
あたりを紅く染めているが、綱吉はどちらかというと、目の前の光景ばかりが気になってしまう。


今は男の姿をしている骸。
クロームを意識の向こうにやり、自分が具現化している。
男はどこか哀愁と凄惨さが織り交じった笑みを浮かべて、そして
手のひらの上で幻術を織り交ぜる。


大きな音がして、
爆発がそのあたりを一蹴した。

子供といえど、この世界では、どんな知識を持っていて、どんな頭脳をもっていて、
どんな戦闘能力があるか。それは未知数だ。

そしてその子供は、何かを綱吉に伝えながら死んでいった。
幻術使いの子供。
実験室にいた子供は、骸の表情とどこか似ていた。





「躊躇していましたね」
ふふ、と骸が笑った。
「子供だったからね」
綱吉はよいしょ、と掛け声を書け、立ち上がる。ぼたぼたと、血がこぼれた。
「綱吉くんには珍しいことです。冷血な君が」
たしかにね、と綱吉は笑った。
「できれば助けてあげたかった」
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by kanae-r | 2010-07-13 20:07 | 甘えて、5題>r | Comments(0)