当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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03 想いの代弁

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要は、力だ。
全てを、解決するもの。力で全てをねじ伏せれば、全てが解決していった。世の中は簡単だ。

ぐちゃぐちゃいうやつも、反抗してくる古株も、敵対してきた青いやつでも、
女だからといって、なめてかかるようなやつら全てに、力でねじ伏せればよかった。
全ては暴力で解決することもできた。最終的には。
話し合いで解決できる、という理想を捨てたわけじゃない。ただ、そんな理屈を並べる前に力を振るうやからが多いだけだ。

だからといって、それを心が望んでいることではない。




「やっぱりかちあったじゃん」
唇を尖らせ、機嫌の悪い振りをして綱吉が言う。
ザンザスは何も応えない。
まだ昨日からの、気だるいバカンスの余韻が体に残っているようで、
だからこそ会話したくはないのだろう、ゆっくりと自分のバランスを取ろうと、穏やかな気持ちでいるのが綱吉には分かった。
歌うように、疫病神なんだよなぁ、やっぱり俺って、と綱吉がつぶやく。
ふと見られた漆黒のその瞳の中で、自分の目が、いつも以上に黄金色にきらめいているように思う。



「また、熱が出てるな」
すらりと伸びた腕が、綱吉の身体を抱き、そして額に手のひらが触れられた。
「そうかな、いつもと同じだけど」
「いつも熱が出てるのかてめぇは」
心が拒否しているのは、きっと身体が表しているのだろう。綱吉は少しだけ、全てを見通しているような、ザンザスを恨めしく思う。
その力は、どうしてこう何でもわかってしまうのか。隠し事が何もできない気がしている。
「なんかね、いろいろいってくるやつがたくさんいてね」





要はすべてをぶっ潰せばいいのだ。すべては最終的に力で解決できる。
だから、力だ。必要なのは。





「そんな欲情するな」
強請るように、キスをすると、なだめるように手のひらが頬を包む。
全てを見通しているような男に、綱吉はニコリと綺麗な笑顔を見せた。


今日は星の見えない夜だ。
雲が出てきたからだ。
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by kanae-r | 2010-02-11 11:03 | 空色5題>r ♀27 | Comments(0)