当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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04 反抗期武勇伝

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「また失敗したのか」

綱吉はその声に、びくり、と肩を震わせた。

「何が足りないのか、その足りない頭で考えたか」
「至らないのはわかってる・・・」
「リボーンさん、その辺で」
同室にいた獄寺が止めた。

リボーンが机に腰掛けると、目の前には琥珀色の瞳。
銃をこつり、とこめかみに当てる。
「甘さだ。甘いんだ。二度目は無い。赦すな」
「・・・・」
燃えるような瞳が、怒りで滲んでいる。
亜麻色の髪が、ふるり、と揺れている。

「人を切り捨てられないんだろう」
「・・相手だって、人間だ。家族がいるんだ」
「お前がそうやって見逃してきた人間によって、ファミリーが傷つけられたらどうする」

ぐりり、とこめかみに銃が食い込む。


「それ以上、出来ないなら、代わりを立てるぞ」
「ダメだ!」


青ざめた綱吉の顔を見やり、その顔が合ったとたん、さらに青くなった綱吉を見て、リボーンは冷静になった。
今回の件で、大人気なかったのはむしろ、自分のほうだ。
本人が激情することを予想して、むしろ自分の感情で相手を弄んで。
「お前達には手を汚してほしくない」
「もうとっくに汚れてるじゃねぇか」
「それでもだ!」

「・・・お前に言えたことか?」
そしてやはり飛んできた手のひらを、リボーンは冷静に受け止めた。
そして、綱吉が青くなるのを見ている。

気付けばその大きな蜂蜜色の瞳に、うっすらと水の幕が張っている。
「ご・・ごめ・・」
小さくつぶやかれた言葉。リボーンは小さく首を振った。こうして綱吉の感情を確かめたくなってしまったのは自分のおろかなところだ。
年々、そうした自制が効かなくなっていて、こうして綱吉の感情を確かめたくなる。
なんておろかな自分だろうか。

手を離せば、びくついたように、綱吉は手のひらをもう片方の手のひらで包んだ。
何を折檻されるのか、という意識か、震えている。恐怖で支配したかったわけではないのに。


「リボーンさん、そろそろその辺で」
優秀な右腕が、銃口を放すよう、手を添える。

最高傑作にしなければならないのであれば、そうした弱いところを強くしなければならないのに、自分の前でだけは、弱さを見せてよい、としてしまった。
自分の愚かさだ。
青くなったり赤くなったり、今度は自分の身の汚さを恥じて白くなっている。

大きくなったら、と思っていた。
大きくなったら、独占はできなくても、どこかで愛情のかけらでももらえるのではないか。
でも実際はそうカンタンにはいかなくて。
カンタンに行かなかったのは、感情を表さなかったからかもしれなくて。

(俺にとっての絶対で唯一な存在はお前だけ)
声は、そう言った。
きっと見透かしているように、手のひらを伸ばしてくる。今度は優しく。
そう、この血に愛されたダメな生徒は、きっと思っている以上に鋭く、優しい。
そして成すべきことをわかっている。

それでも、リボーンは素直にはなれなかった。

バタン、と閉めた扉の奥で、
きっと彼女は今日も悲しむ。



だんだんと、歯がゆさばかりが増していく。
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by kanae-r | 2010-08-16 05:01 | 師弟関係10のお題>r | Comments(0)