当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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03 時間の壁

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昨日は元気だったはず、の目の前の彼女は
今はしんなりしおれてしまった野菜のよう。
どうした、と声をかけてもきっと応えはないだろうな、と思いながら、こうして考える時間は嫌いではない。

こう、掴みどころがないのは昔から変わらないけれど、今回についても思い当たる節がなく、
千秋はぼんやりと頭を巡らせる。

出張前、これを逃しては次いつ会えることやら。


「・・・おい」


千秋の問いに反応なく、目の前の彼女はちらりと目配せをしてはまたひたすら朝食をかきこむ。
さみしいんだろう、と言いたい所をぐっと抑えて、ここぞという時に甘え下手な彼女の機嫌をそっととれるよう、想いを巡らせる。しかし面白い。


パン屑が頬についている。とってやることはしない。
くつくつ笑うと、なんですかぁ、と頬を膨らませてのだめが怒った。



「知らないうちに、色々な旅をしてきたんですねぇ」


去り際にようやく本心から呟いた彼女に、嫌味っぽく聞こえるようにいった。

「そうだよ、走り続けないと追いつけないからな」

きょとんとした顔を一瞬して、そのあと、白い頬をむくりと膨らませる。
くつくつ笑ってやると、今度こそのだめが抱きついてきた。

不器用で不器用で、だからこそこれからも飽きないんだろうな、と思いつつ、
栗色の柔らかい髪をなでる。


違う所を走っているかもしれないけれど、
きっと目指しているものは同じだ。
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by kanae-r | 2011-03-29 15:31 | 届かない5題>n | Comments(0)