当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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after midnight

それは真夜中の出来事、女がそこでピアノを弾いている。
防音設備があるとしても非常な行動。だめだよ、でも僕に止めることは出来ない。
一台のピアノ、栗色の髪の彼女。僕は階上から息を潜めて聞いているだけ。

真夜中の演奏会は、きっと多分僕だけが聞いているのが、少しだけ嬉しい気分。


静かにドアの開く音。
僕は誰だかわかった。真兄だ。

真兄も彼女に声をかけることはしない。けれど彼女の近くまですたすた歩く。
斜め後ろに立って、そこにある椅子に座った。

ほんの少し眠そうな感じがするのは真兄に寝癖が立ってるから。
やだな真兄情けない・・・・

彼女は1つの曲を終えて、ふう、と息をつき、そして斜め後ろに気づいた。
「ひぃっ!」
「・・・・・・いやそんなに驚かなくても」
苦笑する真兄。征子おばさんのネグリジェののだめちゃん。なんだか大人っぽい。
「・・・先輩びっくりしましたヨ!」
手をぎゅっと握ってのだめちゃん。
真兄が笑う、ああなんて優しく。

真兄がのだめちゃんの隣まで来て、何か弾いて、と声をかけた。
静かな空間、僕はここにいちゃいけない気がしてるのは分かってるんだけれども、なにか動くと向こうの二人に絶対気づかれると思って動けない。
そう、何か別のものが介入したらこの空気はきっと壊れてしまうのがわかったから。
のだめちゃんはふふ、と笑った。


ショパン・リスト・シューマン・・・・・
色々な作曲家の色々な曲を弾く彼女はとてもきらきらしている。



のだめ?
真兄がのだめちゃんに声をかける。のだめちゃんはたっぷりたっぷり弾いたあと、うーん、と首をひねったきりなにも言わない。
「きっとのだめは」
言葉を選ぶようにして、彼女が口を開いた。
「まだまだ、かみさまのちかくにはいけませんね」

「かみさま?」

いぶかしげな真兄の声。

「いいえ、なんでもないデス」







きっと二人は、僕には見ることの出来ない世界をこれから見に行くのだろう、そして僕らのような人々に、そんな世界をみしてくれようとするのだろう。
それはうらやんでも手の届かないこと、それは多分子供の頃から知っていたことだ。


僕はそうっとそうっと、二人に気づかれないようにドアの向こうにすり抜けた。
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by kanae-r | 2005-03-16 23:34 | ss>nodame | Comments(0)