当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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05 せのび





「なんだこれ」
その日、綱吉はふと後ろから覗きこまれたのに、あえて気付かないふりをした。

手元にあるデータをみて、あからさまに不満な顔をするのを感じて、
綱吉はふふ、と笑う。


「コレクション」
「・・・写真なんて、俺も落ちたもんだ」
「そりゃ、絶対普通には写ってくれないでしょ。殺し屋だもん。入江君にお願いして、コンタクト内臓記録にしてもらったの」
「余計なことを・・」

リボーンが静かに怒りの炎を燃やしているようすに、とどめを刺す。
「昔、代理戦争の時さ、最後呪いが解けたろ?当時、これってもしかして、だんだん大きくなっていく姿が近くでみれるんだ、とおもったらさ、もういてもたってもいられなくって、お願いしちゃった」
リボーンはおもむろに、Cz75を取り出し、データを狙うが、綱吉は、ひょい、と体を捻ってかわした。
「お前のだけじゃないぞ。ほかのみんなのもあるもの」
「みんな?」
「コロネロだろ、スカルだろ、あとランボやフゥ太、イーピンに・・・みんなかわいいのだもの」
紫の上計画みたいでしょ、というとぼけた頭に、リボーンは腹いせに一発銃弾を打ち込む。

ひょい、とまたかわして、綱吉が聖母のように笑った。







10月13日。この日は綱吉にとって、特別だった。
翌日は盛大なパーティが控えているけれど、ファミリーからは、準備は他のものに任せて、プライベートな時間をして過ごすことが許されている。
ひとつひとつ、年数をかさねていく、その日が、何よりも待ち遠しくて、何よりも大切であった。
去年は、リボーンが不在であった。今年は、2年ぶりのその大切な一日だった。

綱吉には何かの予感があった。

「人がいちど、死んでしまう瞬間があるとさ、ふしめの日のたびに、あー、生きていてくれてよかった、ってほんとにありがたいとおもうよね」
何かとんちんかんなようで、的を得ている発言をする綱吉が、ぽすり、とリボーンの背中に抱きつく。
赤ん坊の頃は、人形のように抱っこされることが多かったが、
身体が大きくなって、いつの間にか、抱っこというよりも、抱きしめる、という表現のほうがしっくりくるようになった。
「ママン、みたいなことを言うな」
「はは、そうだね」

ふふ、とやや自虐的に綱吉が笑う。
「お前がさ、一年一年、しっかりと大きくなって、生きていてくれることが嬉しいの」
「毎年毎年呪いかけんな」
くつり、とリボーンが笑うと、のろってない、とくぐもった笑い声が背中から聞こえる。
一年に一度、この日だけはおたがいせのびをやめるのだ、と決めている。








「消えないでね」
背中からくぐもった声が聞こえる。

リボーンは目を閉じた。

「・・ツナ、すまん」
「・・・だいじょうぶ、見つけるから」

つくり、と綱吉の心が軋んでいるのを、リボーンはなんとなく、感じている。





翌日の綱吉の為のパーティに、黒衣のヒットマンの姿は無かった。
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by kanae-r | 2014-01-29 23:19 | 師弟関係10のお題>r | Comments(0)