当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

06’ Be not Defeated by the Rain’





ドンナが赤ん坊を抱いて現れたので、一様にファミリーが驚きと揶揄を持って迎えた。
「おい、ドンナ、いきなり子供が出来たのか」
「違うって、人の子だから」
「拉致はよくねぇよ拉致は」
わはは、と朗らかに上がった笑い声の輪を擦りぬけ、屋敷の奥へと向かう。そのまま、転送装置を起動するのだ。







「ジュゼッペ・マッツィーニって誰」
綱吉が上げた名前に、リボーンがそっちか、と唸った。
ひたすらにリストを渡され、直観の従うままに、ぱらぱらめくっていた結果である。
「カルボナリですか・・・」
獄寺がうーん、と腕を組んだ。
「イタリア生まれではないから、感覚的なことはわからないんだけど、どうなの?」
主人の問いに、うーん、と獄寺が首をかしげる。
「やはり、人によっては狂信的な信仰をもつかと思います。とくに歴史的に古いファミリーは」
腕の中の赤ん坊はぴくりとも動かない。





綱吉は腕の中の赤ん坊の顔色を確認する。その表情は、あまりにも慈愛にあふれているもので、獄寺はぞくりとした。こうやって、彼の唯一の大空は、沢山のものを、飲み込んでいくのだ。
「よし」
顔を上げたその瞳は、覚悟の色をしている。






熱量を持って、部屋の調度品が吹き飛んだので、思わず爆発か、と男は思った。
その熱風が、ただの火薬によるものではないことを悟って、ついに男は―ジュゼッペ・マッツィーニと呼ばれていた―裁きの時が来たのか、と思う。
この動きは、確かに10年をかけて準備をしていた。
10年前に大きな争いが合って、それがこの業界の裏にある、石の力の争奪戦だった、ということももちろん知った上で、当時は傍観するしかなかった。
しかし、彼もまた古い歴史を持つ家に生まれたので―なおさらその力がほしかった。
それで、色々と協力者を集めて、あとの流れは自然におきたことである。

「立会人のいない場での力の奪い合いは盗人と同じである」

りん、と空気を震わせ、腕の中の赤ん坊が声を上げた。




聖母と神の子どもが、彼を裁きに来たのだ―男は全てを受け入れた。
最後の救済に、願いをこめて、伝える。



「ドンナ、これは私一人の動きではない。この動きがどこまで拡大しているのか、もはや私にはわからない」
「・・・」
「ここで私だけを殺しても、イタリアの流れはとまるだろうが、世界の動きはとまらないだろう」
絶対零度の瞳と、グローブをはめた掌が男に向けられる。そこに、光の玉が、とんでもない熱量が集められているのが分かる。
結局ひとことも、彼女は声を発することはなかった。
[PR]
by kanae-r | 2014-02-08 21:31 | IHATOV>r ♀27 | Comments(0)