当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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05 緑柱石 : 僕に開いてよ







小学校にあがると、イーピンは働きたいんだ、とリボーンに相談した。
おおぐらいのこどもが沢山いる家に、多少なりとも負担はかけたくなかったし、
もともと殺し屋だったイーピンには、自分の食い扶持を誰かに養ってもらうのは、気が引けた。

リボーンが紹介してくれたのは、中華料理屋で、そこの店主はとてもやさしくしてくれたし、
唯一すごい勢いで反対したのは、綱吉だった。

岡持ちを自転車にのせて運ぶ、という芸当は、らくらくとできるようになった。
曲芸に近いところもあったし、そしてそれがだんだんと、寛大な並盛の名物にもなっていった。
(奈々ママンにいたっては、あらあらえらいわねぇ、の一言で片付いた)

得意先には川平のおじさん、という不動産会社の人がいて、
昼も夜も楽々軒のラーメンが大好き、という変な人だった。
イーピンが配達の仕事が出来るようになると、すぐにイーピンをかわいがってくれて、
親方に内緒だよ、といっては飴やらチョコやらをくれた。

その日、小学校が終わって、仕事の時間になって、楽々軒の注文を届けに行くと、川平のおじさんは何か真剣にテレビを見ていた。
「おじさん、ラーメンおまちどぉ」
「ああ、イーピン」


ラーメンと引き換えにお代をもらって、イーピンはテレビでやっているニュースにどきり、とする。
大規模な爆発事故、イタリア。
「・・・あれ、ツナさん、確か今・・」
「・・・そうだねぇ」
心配してもしょうがないか、とイーピンはため息をつく。



川平のおじさんはずるずる、とラーメンをすする。
「たまには野菜も食べないと、おじさん」
「ラーメンがいいんだよ。この世の中で楽々軒のラーメンが一番おいしい」
「ふぅん」

「勉強ははかどってるかい?」
「うん、ママンに迷惑掛ける訳にはいかないし。最近テストの点数あがったのよ」
「さすがはイーピンだ」
「でもね、ランボはぜんぜんだめなの」
ははは、と川平のおじさんは朗らかに笑った。


まいどあり、と出ていこうとしたイーピンに、川平のおじさんが声をかけた。
「困ったらおじさんに言うんだよ」







この頃から頻繁に、綱吉やその守護者達が日本を離れ、日本には師匠によく似ている雲雀さんが残るようになった。
雲雀さんや優しい京子ちゃん、ハルちゃん達に温かく見守られながら、ランボや、フゥ太と大きくなってきたので、寂しさはあまりないが、
替わりに奈々ママンのところに、たまにパパンが帰ってくるようになった。




ママンは争いごとが嫌いで、平和主義者で、天真爛漫で、優しい優しい人だった。
心のどこかでちょこちょこいなくなってしまう娘の代わりに
身よりのないイーピンのことに、色々と心を砕いているのかもしれなかったし、
だからこそ、争いの中に飛び込む将来ではなく、自分で自分の未来を掴んでみたかった。


だけれども、どうしようもなく。
自分の人生を救ってくれたのは、綱吉だとわかっているから。

ぶるる、と懐にいれた携帯がなった。
「・・・ランボ?」
こうして、携帯でバイト中に電話がなることは、珍しいことだ。
「--綱吉が呼んでるから、はやめにおうちにかえっておいで。イタリアで大変だから、来てほしいんだって」
「・・うん」


私は優しい綱吉も大好きだ。
そしてそれ以上に、綱吉が優しくて、心が柔らかで、
みんなで守らなければならない存在なんだ、とも思っている。
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by kanae-r | 2014-02-09 15:04 | 12の宝石言葉>r ♀27 | Comments(0)