当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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09 無知なくらいがちょうどいい






「じゃあ、おじさま、私はこれで帰りますから、あとはしっかり!」
ユニはそう、とても力強く(意味深に)リボーンに念押しし、護衛と一緒にプライベートジェットでイタリアへ帰っていった。

そこには、二人が残った。










窓から見える景色に、綱吉は感心した。
テーブル湾に面するその街は、綱吉がかつて中学生だった頃に、有名な港があることを習った記憶があった。
それでも、ラグジュアリーな雰囲気と、熱気と、犯罪と、喧騒の両面を持つ場所だとは、思っていなかった。

「ここはヨハネスブルグ、プレトリアについで南アフリカ第2の経済規模だ。何より世界の海上交通上の要衝だからな、船舶も造船会社も海運業者もオフィスを構えている。顔を売るなら紹介するが」
ユニに置いていかれた綱吉のために、リボーンは何処かへ連絡をし、綱吉のプライベートが守られる、格式あるホテルを押さえたようだった。
「物が動く場所っていうのはいいね」
「特に日本には縁がある街じゃないか」
一通り、部屋の中を確認しているリボーンを横目に、綱吉がコートを脱ぎ、ベッドに腰掛ける。
黒いコートから、ふわふわのライオンが顔をだして、そしてカメレオンと遊び始めた。

「ナッツ、物を壊すなよ」
がう、と声を上げた小さな(いかんせん以前から小さいままである)猫のようなライオンは、
カメレオンにいいように遊ばれている。
リボーンはす、とその綱吉とライオンとカメレオンの様子を一瞥して、その黒いコートを見やった。
いつも綱吉が着ている、ボンゴレのコートではない。
そして衣服は、スーツではなく、シンプルなもの。
「・・・お前、プライベートか?」
「?そうだよ?」
はぁ、とリボーンがため息をついた。
綱吉の持ち物をざっとみて、通信機器や武器の一切を持っていないようだったので、頭を抱える。
「獄寺は知っているのか?」
「わかんない」
「・・・ということはイタリアは大混乱じゃないのか」
「俺がいなくても大丈夫だよ。それに今回はユニに協力してもらっちゃったから。でもさ、リボーンがいるから大丈夫かな、って思って」
それでユニも帰ったんじゃない?と小首をかしげる。

いや、違うだろう、あれは、きっと。
(おじさま、がんばって!)
それはそれはきらきらの目で、ユニはそう最後に言ったが、
あれがどういった種の期待か、いくら綱吉でもわかっていたのではないか、と思う。
それにユニは、赤ん坊の頃のリボーンが、どのように綱吉に扱われてきたのか、しっかりと知っているはずだ。

そう、まるで、途中から、母親のような温かい目であったことも。







こういうときに限って、超直感の働かないらしい綱吉は、
綱吉の前まで近づいてきた、リボーンの姿を見て、にこにことうれしそうである。
「背、伸びたよね」
「・・・そうだな」
スーツ、似合う、とふわりと笑う。
「おい、ツナ」
「なに?」
綱吉をこつり、と押してふわふわのベッドに押し倒すと、きょとんとした瞳がリボーンを見返した。


「もうひとつの賭け、覚えているか」
「賭け・・?」
「―そう。お前の勝ちだ。俺の人生くれてやる」
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by kanae-r | 2014-02-09 22:39 | 師弟関係10のお題>r | Comments(0)