当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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第三十二夜 バターもたっぷり







その日の晩は満月だったので、比較的外は明るかったように思います。
ある窓から房間をのぞいていました。貧しい堂屋だったので、珠簾もなにもがなかったのです。
そこには大きいこどもからちいちゃなこどもまで、雑多な子供の一団が住んでいました。
そこは里家と呼ばれる場所で、そこには小さな女の子と、男の子の姉弟がいました。男の子はたった四才ですが、みんなと同じように読み書きをちゃんとならい、おつとめをちゃんとできるのです。
弟にはお姉さんがいて、毎晩、男の子の衾褥のそばにすわりこんで、その子がお祈りするのを聞いてあげるのでした。それから男の子が寝るまでずっとそばに座っているのです。男の子はいつも目をとじるとすぐ寝てしまうのですが。

その晩、たくさんいるこどもたちの中の、年上の二人がすこしおいたをしました。
一人は被衫をきて、片足でぴょんぴょんはねていました。もう一人は褐衣からきがえず、衾褥の上にたって、ふんぞりかえって自慢話をしているものですから、
里家の中でこどもたちのおもりをする老女は、そうしたわんぱくなこどもたちをねかしつけるのに、
てまどっていました。
何しろ、その国でようやく女が国に戻り始めることができて、国中が大騒ぎだったからです。

姉弟は―姉を蘭玉、といいました―男の子の衾褥そばに腰をおろし、静かにするようにといいました。
こざっぱりした衾褥にもぐりこみ、男の子―桂桂といいました―の両手は上品に組まれていて、小さな顔は真剣そのものでした。
桂桂はお祈りを声にだしました。でも蘭玉がお祈りの途中でやめさせます。
それは、その里家の閭胥が識者が道を説く塾のようなかたちで、かれらにおしえている道の条理の文句です。

「どうしたの」蘭玉は聞きました。「いつも聞き取れないけど何かいってるわね。なんて言ってるのかいいなさい」小さい男の子は答えず横になっていて、姉の顔をこまったように見ています。「なんていってるの?」
「おねえちゃん、怒らないでね。ただ、饅頭だけじゃなくて、それに酪もたっぷりって言っただけなの」
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by kanae-r | 2014-10-15 09:33 | 絵のない絵本 >12 | Comments(0)