当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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ケベックシティ、12月

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「今期限りで競技を引退しようと思ってるよ」
クリストフがそう話した時、僕は息を呑んだ。本当にそれでいいの?バンケットをそうそうに抜け出すのが僕らの常套手段で、スマートフォンが先ほどから何度か鳴っているが見ていない。きっとヴィクトルニキフォロフだ。可愛らしかった彼はどんどん大人になり、僕への距離を縮めて来るので、少し躊躇っている。欧米人はどうしてこうパーソナルスペースが近いのだろう。

寂しいなあ、と呟いた言葉を拾って、クリストフは寂しげに笑った。競技者としては引退するけれど、スケーターとしては滑るから、また何処かでね。
最後まで君から金色を奪えなくて残念だ。後進に道をあける気もないんだろう?君は金色が大好きだからね。
僕は少し自分の欲深さを感じて嫌になった。僕は金色のまあるいものに固執している。勿論芸術やエンターテイメントとしてのスケートも愛しているけれど、他の人に渡すつもりはない。クリストフはからからと笑った。ユウリ、その顔やめたほうがいい。恋人を取られたみたいな執着心まるだしのすごいエロい顔だから。

何言ってんの、と言い返してクリストフと乾杯を重ねた。今日は彼の話を聞こう。彼の歩んで来た人生の話。
僕は人の話を聞くのが好きだった。自分のことで語る事はあまりないから。



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by kanae-r | 2017-01-22 10:07 | YURI ON ICE | Comments(0)