当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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バンクーバー、8月









ベッドの中でのユウリはとっても美しい、とヴィクトルはなんとなく思う。もちろん普段からとっても素敵だけど。今日も彼のために夕食をつくって、おいしい!と無邪気に笑った彼と、今目の前でヴィクトルを殺しそうになっている男と、果たして同一人物だろうか。俺はいま、喰われている。可愛い恋人に。ヴィクトルは料理をするのが好きだった。そのうえ、彼のために料理をするのはとても好きだ。香草を詰めて鳥肉を焼き、野菜でブイヨンをとるのも。バンクーバーでのこれからの毎日は幸せなものだとおもう。

年を重ねるのは素敵なことだ、とはじめてヴィクトルは感じている。競技者であったころは、あれだけ年をとるのが怖かったのに。誕生日が嫌いだった。終わりまでのカウントダウンをされているようで。それが今はどうだろう。ユウリのおなかのあたりにぺたりと唇をつける。腹筋がかたくて、それでもみずみずしい肌とは少しちがうけれど。わらった目じりには、昔なかったしわが、とてもいとおしい。
若い頃に熱をぶつけるようにして過ごしたベッドの時間も、情熱的でとても素敵だったけれど、こうして二人でふわふわと熱にうかびながら、海の中をおよいでいくような時間も素敵だった。スローだけれど、ゆるくふかく繋がっている。いつまでもいっしょにいられる。
ユウリがなあにかんがえてんの、と耳を齧ったので、ヴィクトルはくすりと笑った。この夏はいい夏だったな。ユウリと一緒に色々なところへ出掛けた。公園を歩き、トレッキングをしたり、映画を見たり、マーケットを散策したり。そんなとこ。というとそうだねえ、と柔らかい微笑みがかえってきた。


ユウリはやっぱり、素晴らしい大人だ。ヴィクトルのサマーバケーションが終わる前の日に、永住権を手に入れられそうだ、と温かい瞳で彼はヴィクトルにつたえた。愛するパートナーのぶんもね。ヴィクトルが望むなら。アンバーの瞳がまたたいた。ヴィクトルが声に出せないくらいにぽろぽろなみだつぶを落としてるのを見て、困った顔をして笑う。もう、泣き虫なんだから。ユウリのスケートクラブは盛況だから、コーチの受入は大歓迎だよ、と彼は言った。特に栄養学を身につけた人材も足りていなくて、監督出来るようならいい条件でオーナーと契約できると思うよ。ユウリはオーナーのビジネスカードを渡してくれた。もちろん、ここではなくても。選択肢の一つとして、よかったら。



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by kanae-r | 2017-01-24 20:35 | YURI ON ICE | Comments(0)