当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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ロスカボス、8月

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新しく家に迎え入れたちいさな家族は、わう!と一吠えして、ちぎれんばかりにしっぽを振った。ステイ、シェイク、ディアザー、シット、オーケー、グッドボーイ、とユウリがちいさな家族にごはんをあげている。はじめての飛行機にもなんとか慣れてくれたらしい。見知らぬ場所で興奮して、ふがふがとあたりを探検していた。

マッカチンとお別れしたのは、引退一年前の世界選手権の年だった。相棒として支えてくれた彼を失って、身体の調子も悪くて、めちゃくちゃにユウリに当たってしまった記憶がある。彼は何も言わずにそばにいて、辛い体をマッサージしてくれた。

それから生活拠点も落ち着かなかったから、しばらく犬を迎え入れるなんて出来ない環境だったけれど、ユウリも、俺も犬が好きだったから、ユウリの提案に一にもなく肯定したのだった。
ノービスクラスの生徒の家で生まれたというこの子はかつてのマッカチンよりもやや濃い茶色をしていて、まるでチョコレートの色だ。


白いバスローブを羽織っているパートナーの首筋にすりすりと鼻を押し付けて大好きな香りを確認しながら、ヴィクトルはぼくらもあさごはんにしようよ、ユウリをテラスに誘った。

ヴィクトルは食べることが好きだ。食べること、睡眠をとること、好きなこととふれあうこと。毎日のライフの積み重ねで、幸せは出来ていると思う。だからこうしてバケーションで見知らぬ土地に来たり、異国の料理を楽しんだり、文化風習に触れることは、刺激的でだいすきだった。
ルームサービスで準備された朝食にはヴィクトルの好きなジャムがたくさん準備されていて、バンクーバーにかえったら、季節ごとにジャムをつくるのもいいなと思った。アプリコット、オレンジ、ブルーベリー、ストロベリー、プルーン、アップル。紅茶にいれても、スコーンにつけたっていい。
気づけばユウリがヴィクトルをじっと見つめているのに気づいて、食べないの?と問いかけた。もうお腹いっぱい。年だしね。あなたが食べているのを見るだけで幸せ。ふうん、とヴィクトルは生返事をする。他の人が作った料理を食べるのは新鮮で楽しい。せっかくなので楽しむことにする。



暑いから、お水をちゃんと持っていこうね。
ユウリは散歩のためのハーネスを準備している。日焼けをしないように、とユウリは俺にもつばの広い帽子をかぶせてサングラスも準備してくれた。ロシアの日差しと比べると、ロスカボスの日差しは殺人的だ。ヴィクトルは色素が薄いから、目もすぐ痛くなってしまうし、肌だってすぐ真っ赤になってしまう。からっとして、海が近くて、同じ地球とは思えない。

今日は泳いでもいいね、お昼はシーフードがいいなあ、俺が適当に話すことばに、ユウリはそうだね、そうだねと優しくうなづいてくれる。穏やかなバケーション。

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by kanae-r | 2017-01-25 09:31 | YURI ON ICE | Comments(0)