当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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バンクーバー、5月

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ヴィクトルは最近、ロシア語でよく電話をしている。時には諭すように、たまに少しだけ苛立ちを滲ませることもあった。Net.Net....何かを断っている。Yuri,と聞こえる気もする。電話を重ねるうちに、ヴィクトルはたまに笑いをこぼすようになった。溜息も。ヴィクトルが作ってくれた夕飯は今日もとっても美味しかった。僕は片付けの役目だ。
ベッドルームで電話をしている彼が戻って来たタイミングで出そうと思って、紅茶の缶とブランデーを準備する。ケトルに火をかける。

ヴィクトル、彼の大切な一年だと思うよ、君がそうしたいなら、彼のためにロシアに行ってもいいんじゃないかな。
ブランデー入りの紅茶を提供しながらそう話しかけると、彼は弾かれたように勇利の顔を見上げた。君にはなんでもお見通しだなあ、へらりと笑う。

きっとあれは正式なオファーでは無い。彼の生徒からの電話だろう。ヴィクトルは正式な手続きをしてカナダにやって来たし、バンクーバーのクラブの生徒だけではなく、フリーの立場で、振付師として自由に仕事を選べるはずだ。そういう契約内容だった。

本音を言えばね、ちょっと気になってるんだ。
観念したようにヴィクトルは勇利に抱きついて来た。ユーリプリセツキーは才能の塊だと、同じ会場にいた勇利も感じていた。彼の祖国ロシアでは、勇利のパートナーは世界選手権五連覇のリビングレジェンドと呼ばれていたし、競技人生の引退後もサンクトペテルブルクで後進の指導にあたった。相当な信頼があるだろうし、彼を支持する人が多いだろう。





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by kanae-r | 2017-01-25 11:18 | YURI ON ICE | Comments(0)