静かという音、と
2006年 01月 02日
そして表現されたのは彼女「らしい」世界だった。良くも悪くも、多少脚色され、とはいっても完全な再現など不可能ではあるが、それはこうして彼女の中に受けとめられたのだ。ふと振り返った顔が自分に気付きフリーズする。確かに本人には聞かれたくあるまい。いつもなら頭をはたくところを、敢えて流し、キッチンへとむかった。
持ってきたコーヒーを見て彼女は多少安堵したようだ。あからさまに顔を緩め、なんとも言い難い顔をした。
「ありがとうございマス」
渡す時に少し、掌が触れ、のだめが驚いたように手を引っ込めた。
「‥あついぞ?」
「いえ!あの、はい、頂きます」
今度は確かと渡して、自らの分を口に含む。やはり微妙な顔をしながら、ちらりちらり、と彼女はこちらをみやっていた。会話もなくただ喉を滑り落ちる音が聞こえるくらい、静かな空気だ。何を思うのか、彼女の目線はぼんやりと空中を漂う。
「…なんか、弾いて」
ぽつり、と溢した言葉はちゃんと彼女の耳まで届いていてくれたようだ。ふわり、綻ぶようにのだめが笑った。
持ってきたコーヒーを見て彼女は多少安堵したようだ。あからさまに顔を緩め、なんとも言い難い顔をした。
「ありがとうございマス」
渡す時に少し、掌が触れ、のだめが驚いたように手を引っ込めた。
「‥あついぞ?」
「いえ!あの、はい、頂きます」
今度は確かと渡して、自らの分を口に含む。やはり微妙な顔をしながら、ちらりちらり、と彼女はこちらをみやっていた。会話もなくただ喉を滑り落ちる音が聞こえるくらい、静かな空気だ。何を思うのか、彼女の目線はぼんやりと空中を漂う。
「…なんか、弾いて」
ぽつり、と溢した言葉はちゃんと彼女の耳まで届いていてくれたようだ。ふわり、綻ぶようにのだめが笑った。
by kanae-r
| 2006-01-02 08:47
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