春はすぐそこ
2006年 03月 13日
「あっ」
声をあげたのはのだめだった。むきゃ、と奇声を上げて駆け寄った先は歩道の横の、
「・・おい、そっちはあぶな」
どぼん
綺麗な弧を描いて いっそすがすがしいまでに靴が向こうへ飛んでいった。
青ざめて、というか脱力して、近寄る力もなくそのばで固まっていたら、川から身を起こしたのだめが、ムキャーと今度こそ悲鳴をあげた。歩道の横には排水溝の「ちょうど良い」深さの溝があって、川の中の彼女の靴は間違いなくそこにはまって、歩道の下は間違いなく川がさらさらと流れているのだった。
ふわぁーっと
吹いた風が。もう冷たくないことが、確実にどこかの花の香を運んでいたことが、唯一の救い。
(春はすぐそこ)
声をあげたのはのだめだった。むきゃ、と奇声を上げて駆け寄った先は歩道の横の、
「・・おい、そっちはあぶな」
どぼん
綺麗な弧を描いて いっそすがすがしいまでに靴が向こうへ飛んでいった。
青ざめて、というか脱力して、近寄る力もなくそのばで固まっていたら、川から身を起こしたのだめが、ムキャーと今度こそ悲鳴をあげた。歩道の横には排水溝の「ちょうど良い」深さの溝があって、川の中の彼女の靴は間違いなくそこにはまって、歩道の下は間違いなく川がさらさらと流れているのだった。
ふわぁーっと
吹いた風が。もう冷たくないことが、確実にどこかの花の香を運んでいたことが、唯一の救い。
(春はすぐそこ)
by kanae-r
| 2006-03-13 01:36
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