オディール・マルコッティの話 5 「パ・ダクシオン」
2010年 01月 24日
*>r
老家庭教師であるヴォルフガングが踊りに加わります。ところが、ワインに酔ったのと歳には勝てず最後まで踊りきれません。
++
屋敷の奥にある、幹部が会議をするための部屋。
上座には当代のドン、そして先代からの幹部、そして9代目から続くものたちもいる。
重厚な机、華美ではないが、質素ではないものばかり。
とても頑丈な作りなのは、その役柄からだろうか。
集ったのは、先代の守護者から、次代の誰を選出するかということを決めるためであった。
9代目から続く幹部の中には、どうしても綱吉のことを気に食わないものもいて、だからこそ突然現れた子供に対しての反抗もあった。
たいていのものはリボーンが抹殺したのだが。
そもそもにして新しい者達を見つけるべき、というのは前提であろう。ただ、一日でも早く、ドンの不在という隙に付け込んでいた敵対ファミリーに、ドンによる制裁が必要なのであった。
そのためには、とりあえず、であっても、守護者が必要なのだ。
というのがヒットマンの考え。
綱吉の死後霧は欠番だった。
「10代目が、確かに、あとをたのむ、とおっしゃった。俺はのこる」
「おれも。小僧が決めるまではな」
嵐、と雨はきまった。
「綱吉がいうなら」
雲雀はそういって部屋からでていった。
「そこまで力になれませんが、できる限りのことは」
ボヴィーノの核になりつつあるランボが言う。
「・・・降りさせてもらう。京子のことがある。もうイタリアにはいれない」
了平の言葉に獄寺が、なに、といった。
「殺すか?それがボンゴレの掟だったか」
了平が笑う。
「だが、綱吉がいない今、俺にとって優先すべきは京子だ」
綱吉にとって一番大切にしていたのは京子だった。
それはつまりボンゴレが大切にしていたのも京子である。了平は何があっても殺せない人物だった。
だからリボーンは撃たなかった。
「笹川先輩・・」
思わず、山本ががっかりした顔をした。
沈黙が場を支配する。
沈黙を破ったのは幼い声だった。けして舌足らずでない。
「先代の守護者の皆さん、ありがとうございます。これからまた担ってくれる方達、ありがとう。しいての問題は、欠番となった二人をどうするか、ということかと」
この場で始めてしゃべったオディールに視線が集る。
その姿は本当に綱吉にそっくりだった。イタリア人との混血のオディールは、髪が金色に近く、瞳は琥珀色だった。しかし綱吉のもっていた、やわらかさや温かさが感じられないのは、何故だろうか。
だからとても、姿だけは似ていて、別人なような気がしてしまうのは。
「属性と能力からして、ヴァリアーの二人にお願いできないだろうか」
XANXASはオディールをじっと見た。目が合う二人、オディールはその瞳に何か通じるものを感じる。この人は信じていい、どこかでそう直感が言っている。
綱吉は何かをこの人にお願いしている。
「11代目の意向に依存はない」
「ありがとう」
さて、とリボーンが仕切りなおした。
「これで守護者は全員揃ったな。就任式は今週に執り行いたい。準備に間がないがなんとかしてくれ」
獄寺はうなずいた。
「したら、襲撃はいつにすんだ?」
「就任の後、その週のうちに粛清を行う。派手にやろう。俺が出てもいいだろうか」
山本の問いに答えたのはオディールだった。
同じ顔をして、とても冷徹な判断。その言に誰しもがつばを飲んだ。
「オディールは強いぞ。ツナと同じくらい。ねっちょりきたえたからな」
くつくつとリボーンが笑った。
そして執り行われた就任の儀は栄華を極めた10代目の子として遜色ない、豪華なものだった。
同盟ファミリーが首を揃え、ファミリー全員が見守る中、
若干8歳の子供が前に立つ。
綱吉と同じ顔をして、感情のない顔をした、その子供は、どこかやはり、小さく、ちっぽけにみえた。
老家庭教師であるヴォルフガングが踊りに加わります。ところが、ワインに酔ったのと歳には勝てず最後まで踊りきれません。
++
屋敷の奥にある、幹部が会議をするための部屋。
上座には当代のドン、そして先代からの幹部、そして9代目から続くものたちもいる。
重厚な机、華美ではないが、質素ではないものばかり。
とても頑丈な作りなのは、その役柄からだろうか。
集ったのは、先代の守護者から、次代の誰を選出するかということを決めるためであった。
9代目から続く幹部の中には、どうしても綱吉のことを気に食わないものもいて、だからこそ突然現れた子供に対しての反抗もあった。
たいていのものはリボーンが抹殺したのだが。
そもそもにして新しい者達を見つけるべき、というのは前提であろう。ただ、一日でも早く、ドンの不在という隙に付け込んでいた敵対ファミリーに、ドンによる制裁が必要なのであった。
そのためには、とりあえず、であっても、守護者が必要なのだ。
というのがヒットマンの考え。
綱吉の死後霧は欠番だった。
「10代目が、確かに、あとをたのむ、とおっしゃった。俺はのこる」
「おれも。小僧が決めるまではな」
嵐、と雨はきまった。
「綱吉がいうなら」
雲雀はそういって部屋からでていった。
「そこまで力になれませんが、できる限りのことは」
ボヴィーノの核になりつつあるランボが言う。
「・・・降りさせてもらう。京子のことがある。もうイタリアにはいれない」
了平の言葉に獄寺が、なに、といった。
「殺すか?それがボンゴレの掟だったか」
了平が笑う。
「だが、綱吉がいない今、俺にとって優先すべきは京子だ」
綱吉にとって一番大切にしていたのは京子だった。
それはつまりボンゴレが大切にしていたのも京子である。了平は何があっても殺せない人物だった。
だからリボーンは撃たなかった。
「笹川先輩・・」
思わず、山本ががっかりした顔をした。
沈黙が場を支配する。
沈黙を破ったのは幼い声だった。けして舌足らずでない。
「先代の守護者の皆さん、ありがとうございます。これからまた担ってくれる方達、ありがとう。しいての問題は、欠番となった二人をどうするか、ということかと」
この場で始めてしゃべったオディールに視線が集る。
その姿は本当に綱吉にそっくりだった。イタリア人との混血のオディールは、髪が金色に近く、瞳は琥珀色だった。しかし綱吉のもっていた、やわらかさや温かさが感じられないのは、何故だろうか。
だからとても、姿だけは似ていて、別人なような気がしてしまうのは。
「属性と能力からして、ヴァリアーの二人にお願いできないだろうか」
XANXASはオディールをじっと見た。目が合う二人、オディールはその瞳に何か通じるものを感じる。この人は信じていい、どこかでそう直感が言っている。
綱吉は何かをこの人にお願いしている。
「11代目の意向に依存はない」
「ありがとう」
さて、とリボーンが仕切りなおした。
「これで守護者は全員揃ったな。就任式は今週に執り行いたい。準備に間がないがなんとかしてくれ」
獄寺はうなずいた。
「したら、襲撃はいつにすんだ?」
「就任の後、その週のうちに粛清を行う。派手にやろう。俺が出てもいいだろうか」
山本の問いに答えたのはオディールだった。
同じ顔をして、とても冷徹な判断。その言に誰しもがつばを飲んだ。
「オディールは強いぞ。ツナと同じくらい。ねっちょりきたえたからな」
くつくつとリボーンが笑った。
そして執り行われた就任の儀は栄華を極めた10代目の子として遜色ない、豪華なものだった。
同盟ファミリーが首を揃え、ファミリー全員が見守る中、
若干8歳の子供が前に立つ。
綱吉と同じ顔をして、感情のない顔をした、その子供は、どこかやはり、小さく、ちっぽけにみえた。
by kanae-r
| 2010-01-24 23:00
| odile>reborn