当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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オディール・マルコッティの話 6  「シュジュ」

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【7. 主題】 黄昏が近づいています。最後にもう一度踊ることを説得させられてしまいます。









みなきっと、死して尚、束縛されているのだ。
自分自身もそれを感じている。
「死なせてくれよぉ、ツナ」
酒を飲んで泥酔したままごろんと転がった山本がそう、つぶやいたのを、雲雀が聞いてため息をついた。
「君もか」
きっと今のボンゴレは彼の亡霊によって動かされているのだ。
酷なことをする。
なんて、自分勝手なやつだったのだろう。でも、一番とらわれているのは、きっと黒衣の死神だ。
狂ったような光が、たまに目に浮かぶ。
とくにあの子供を見るときに。


あの会合のとき、対抗する幹部に向かってオディールは言った。
「俺が幼いと不安ですか」
挑戦的に言葉をはなつ。
「俺はもう、覚悟はできている。どうか父さんのファミリーに俺を守ってほしい。俺には頼りにできるファミリーが一人でも必要なんだ」
子供はうっすらと微笑んだ。
リボーンはめまいがした。この生まれながらのドンは、プログラムで打ち込んだとおりに人を―のみこもうとしている。
同時に、寒気と吐き気がした。”父さん”?ふざけるな、と叫びたかった。
お前は―一度も、会ったことがないくせに!すべてを飲み込み、リボーンは成り行きを見守る。
「俺は―まだ幼いと思われるだろう。敵対ファミリーにしろ、ファミリー内にしろ、火種は腐るほどある。何しろ今から火種が生まれるんだから。だから貴方達のいる場所はここなんじゃない?」
琥珀色の瞳が下から人を覗き込む。覗き込まれた幹部が、たじろいだ。
そして何もいわず逃げるように部屋を出て行った。
「おい!」
獄寺の声にも立ち止まらない。
「大丈夫」
子供はうっすらとほほえむ。
きっかり2年で作られた子供は、まさしく王たるために作られた。だからこそわかっていたことだったが、リボーンは全てを後悔したい気持ちだった。
ああ、ツナ、お前がここにいたら、俺を許してくれるだろうか。約束が守れなそうなんだ。オディールを愛する、ということだけが!



XANXASは守護者を決める会合の後に言った。

「お前は、つらくないのか」
きっと、超直感で気付いていたのだろう。
その生い立ち。そして自分もにたもの、にせものだから。
「XANXAS」
オディールは慟哭する。
「・・しょうじき、わからないんだ」
わからないのだ、だって、いろいろなことをおぼえたり、しることだけで、せいいっぱいなので、
かんじょうとか、そういうものが。

オディールの心の中には、生まれたころからペンキ屋が住んでいて、それは黒しか持たないペンキ屋で、ひどく上手に塗るのだった。
厚く、むらなく、一部のスキもなく、すぐに乾くペンキを、オディールの心に塗るのである。
冷たい言葉、とか、とげのあるものは、超直感という産物でオディールはわかるけれど、それが心に届く前に、ペンキ屋がすばやく壁を塗る。オディールはだから何もないように振舞うけれど、それを見てリボーンの瞳に憎しみの色が重なって行くのを知っている。いつしか澱は無視せざるほどに色濃くなって、いつしか洗い流せないでいる。



就任の儀のあと、2日たって粛清が行われた。
「ナッツ」
新しい主人の元へライオンが馳せる。美しい鬣。この中に顔をうずめるとき、オディールの心は本当に安らぐ。人間は難しい。動物は優しい。感情はそのままだから。
ぐる、そう唸った先に、新しい人の影。
「まだ人がいた」
オディールの瞳は焔に光る。今、敵の屋敷は全壊していた。皆殺しにしたはずなのに。
血の匂い、煙の匂い。きっとこの服は捨てなければならないだろう。いろんなものを吸ってしまったようだから。
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by kanae-r | 2010-01-25 01:28 | odile>reborn | Comments(0)