当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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オディール・マルコッティの話 7  「ロッドバルト」

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リボーンは夢を見ると決まって夜中、目を覚ます。
夢の中で、綱吉が、ぎ、と空をにらんで、劫火の中に仁王立ちして、
リボーンに向かって、叫ぶのだ。
(なぜ、俺が、こんな目に!!)
何かリボーンが言おうとしても、その言葉はけして届かないのだ。
見る間に肉が垂れ焦げ、鼻につく臭いがするように思う。臭いなどするはずも無くて、それは絶対に妄想や空想であることがわかっているのに、どうしてもその夢が真実であるように思えて、リボーンは熱くて熱くてたまらないはずのその中に向かって手を伸ばそうとする。けれども綱吉は嘲って拒む。
(なぜ、俺が?ねぇ、リボーン、なぜ?)
すまねぇ、ただそれだけでも、そう言おうとする、その瞬間に、
めがさめるのだ。

リボーンは意識を浮上させてじんわりと汗ばんだ手のひらを開いた。冷静に愛銃の存在を確かめる。赤ん坊の頃から、無機質で確実な力を持つ愛銃の存在だけが、確実にリボーンに安心感をもたらすものであった。
いつからだろうか、それに加えて、安心感をもたらす一人の存在があるようになったのは。
「あぁ、ツナ」
かつて赤ん坊だった青年は、夜闇の中で、ただひとり、呟いた。
「会いてぇなぁ」
そう、直接会えばきっと、謝罪の言葉を言うことができるような気がするから。



死ぬ気丸を飲んだバジルと、自力で死ぬ気になったオディールが屋敷の庭で手合わせしている。零地点突破を身に付けるためにバジルの攻撃を受けてはダメージを喰らい、あるいは炎が不確かになったりする。城入りももうまもなくとなっていたころ、修行も最終段階に入っていたのだ。
リボーンはやや離れた位置から二人の様子を見ている。一番初めに死ぬ気弾を撃とうとして死ぬ気になられたとき以来、特殊弾を撃っていはいない。説明してなお一時的に死ぬ状態になるというのが嫌らしく、銃をちらつかせてやってみろ、と言えばやすやすとオディールは死ぬ気になるのである。
閉心術を教えて以来うまく巧妙に感情を隠すようになったので、表情はどちらかと言えば徐々に無表情になっていくように思う。その点について言ってみたものの、オディールの表情は一向に豊かにはならなかった。けれどもつねにリボーンが感じることは、死に対する異常なまでの恐怖心である。
(どうすっかな)
ほぼ完璧にボスとして成長しつつあるオディールに、リボーンが気にかかることといえばその一点、二点くらいなものだ。けれども、格段に優秀な生徒であるはずのオディールに対して、リボーンは、
(ちがう)
リボーンは思考を中断させた。
生徒に思い入れをのこしたり、偏見をしたり、そのようなことは超一流の者にはありえないことである。
バジルの正拳を受けて、オディールが吹っ飛んでいった。


「零地点、うまくいかねーな」
休憩だぞ、そう言って二人を強制中断させたリボーンがオディールに、水を投げた。
「そうは言っても、リボーン殿、まだ四日目ですし」
「まぁな、だがてめーには時間がねーんだぞ」
オディールは無言のまま水を口に入れる。何よりも体を休めたかったので目を閉じた。
「本部には守護者や幹部がいるのでしょう?」
「早くにこしたことはねーだろ?それに、もう二年だ。外からも中からも切り崩されたら危ないに決まってんだろーが」
「それはもちろんそうですが、少々急き気味では」
暴れていた鼓動が落ち着きつつある。オディールは自身の呼吸を数えていた。いっかい、にかい、さんかい、よんかい。
しばらく休んだ後、さぁはじめるぞ、きっぱりした声が言った。







リボーンは小さな暖かい部屋の中で、ベッドの上を見やった。
背中を丸めて、胎児のように小さく小さく丸まって眠るその姿は、今日の厳しい修行のせいかぴくりとも動かない。かろうじて半開きの口は小さな深い呼吸をしている。


オディールはツナとそっくりな容姿をしていたのに、
まるで別人のように、
冷静で大人びた口調をし、
ファミリーに対し誠実に振る舞い、
ファミリー外の者に対して毅然と向かい合い、
感情を表に表さず、
戦いの中では煌々とした炎を灯して。
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by kanae-r | 2010-01-25 09:16 | odile>reborn | Comments(0)