当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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オディール・マルコッティの話 8 「城」

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オディールは目の前に聳え立つ屋敷を見上げた。
続いて黒塗りの車からリボーンが降り、くつり、と笑う。
「でかいだろ?」
ボンゴレの屋敷は一見城のようにも見える。代々受け継がれてきた建物と言うから城だったのかもしれない。
「これでも十代目がずいぶん解体したんだ。いらねーっつって」

待ち受けていた男に頷いて、男は一度頭を下げた後、二人を城内へ導く。

迷路のように入り組む城のような屋敷の周辺は要塞のようでもあった。その屋敷がどうしてこのような形をしているのか説明を聞きながら、オディールはまっすぐ前を見つめる。
「城内もすごいが地下もすげえぞ」
「なぜ?」
「隠し通路や隠し扉があるのは当たり前だが地下は実験場やら拘束部屋やら拷問部屋やら」
オディールはゆっくり瞬きした。それだけにオディールが作られるのも納得がいくというものだ。畢竟彼らはマフィアでありそれ以上でもそれ以下でもないのだ。
城内の様子は「入力」されてはいたものの、実際に歩くのはまた違う。空欄の部屋の中にはリボーンがいった通り拷問部屋であることもあるということだ。
「食われるなよ」
歌うようにリボーンが言った。

十一代目!
そう声をあげたのは獄寺だった。近くには山本の姿もある。お久しぶりです、そう答え、山本が朗らかに笑う。
今日からここが自分の家になる。



オディールが小さな暖かく居心地の良い部屋を屋敷の自分の部屋にしてくれるようお願いしたのはたった一つのお願いだった。
唯一のことだったので、家庭教師は反対したが、
オディールの小さな暖かく居心地の良い部屋は、屋敷の一角に、おもちゃのように付け加えられた。めったに頼みごとをしないオディールが頼み事をしたのだ。
最後まで抵抗したのはリボーンだった。
「駄目だ、ボスとしての権威を考えろ」
「・・」
「・・わかるだろ?」
「・・・・・どうしても」
リボーンとオディールの瞳がかち合って、根負けしたようにリボーンが目をそらした。
「わかった」
「ありがとう」
逃げるように部屋から出ていくリボーン。目を合わせるのが、きっと嫌いなのかもしれない。



オディールは窓を開けた。
ここ最近、彼の執務は多忙だった。来客が多く、こぞって挨拶とご機嫌うかがいをする。
小さな部屋に帰ってきたオディールはため息をついた。
羊水の疑似体験をしてるんだな、部屋を見たシャマルがそういったのを覚えている。
窓を開けて、換気をして、そしたら閉めて、暖房をつけよう。そして彼の小さな居心地の良い暖かな部屋は完成する。

そう、そういえば。
客人たちは、みな帰る間際に言っていた。
お帰りなさい、と。
暖かく、懐かしいものを見るように、オディールの姿に誰かを重ね合わせて。


ファミリー。
その言葉を反芻する。
この段階で、オディールの頭の中には知識としてファミリーがあるだけで、今は。
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by kanae-r | 2010-01-25 15:28 | odile>reborn | Comments(0)