当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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オディール・マルコッティの話 9  「ダンス・デ・クーベ」

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ワインの杯を握りしめながら踊る、熱狂的な全員によるポロネーズ。








大規模な粛清と、きらびやかな就任パーティー。
酒宴は荒れていた。


昔とは、確かに、何か、雰囲気は違うわ。
ルッスーリアはいつものようにオディールの身の回りの世話をしながらそんなことを話した。
「了ちゃんと京子がいなくなって、やっぱり違うのかしらね」
太陽のようなその女性のことはオディールも知っていた。
先代のツナヨシ・マルコッティが愛したひと。二人は相思相愛だったけれど、籍は入れなかった。ツナヨシの死後、消えてしまった、とだれかが言っていた。
事実上、オディールの母ではないか、という噂も、守護者達や近しい人間たちが黙殺している。
若い人間も、重鎮も、明るく騒いでいる。
就任式の夜はあくまでも、華やかに、進行した。




「見せしめというものは――派手でなければ意味がない」
家庭教師の男はワインを傾けながら、そう言いきった。
ワインに注がれる目は、どこか遠くを懐かしんでいるようにオディールには思える。
バジルが、まぁまぁ、と優しい声音で言う。
「オディール殿にそこまで求めなくても」
就任式でそこまでパフォーマンスをする必要はありません、ハルが言い切った。
「いくら、ツナさんとそっくりでも、オディールちゃんを10代目として通すには無理がありますよ」
誰もが感じていたその違和感は、ハルの言葉でそのまま表されていた、とも言える。
「でも、ツナよりもずっと出来がいいよな」
あっけらかんと、ほがらかに山本が言い、くしゃりと、オディールの頭を撫でる。
深い闇に脚をとらわれることがあっても、この男が一番、明るくて、救われるようにオディールには思えた。

ボス、おめでとうございます。
口々にファミリーが絡んでくる。老いも若きも、今この瞬間は皆、酔っているように思う。
幻覚を見ている訳ではないだろうに、この見た目には小さいオディールが、しっかりと次の世代の主であると
この場で認識してくれたのか。

ありがとうございます。
そう返して、オディールは一人ひとりの心の中を覗く。
寂しさ、嬉しさ、郷愁、憂い、心配、意欲、希望、強欲、悲しみ。

「月日や時間は、確実に人の心の傷を癒すのよね」
読心術を使っていたことがわかるのか、いつの間にか隣にいるイーピンが言う。
くろい、まんまるの目が、オディールを覗く。

きらびやかな就任の宴は続く。

どこかで爆発音も聞こえる。それは前から変わらない風景なのだ、と人は言う。
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by kanae-r | 2014-01-27 22:43 | odile>reborn | Comments(0)