当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
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カテゴリ:指に関する5つのお題>nodame( 5 )

5 約束を絡めて

耳殻で集められた音波は聴神経を通じて脳にその音を伝えるのだけれども
理屈ぬきの何かがあるのだなとのだめは思う。
体の下のほうから伝わってくる振動がびりびりと体中を振動させて脳天を突き破るような感覚を覚えた。一本の棒から生まれる音の波が体に伝わる。
こんな曲も得意なんだ、のだめはそう思って、でも思う暇もなく感覚でそんなことを考えたような感じがした。
ずーんと響く低音、のだめは低音のこんな感じが好きだ。音楽って強いと思うのだ。

今は遠い背中。目を閉じれば瞼の後ろにもその姿は浮かぶ。今は遠い。でも昔に比べたら、前に進んでいる。一歩一歩、足音は聞こえるはずだ。

「じゃあ10分休憩で」

ざわり、と空気は変わって一気に和やかになった。椅子にどっかり腰をおろしてスタッフと話している先輩の左手はぶらりとぶら下がっている。疲れた様子を見せつつも、笑顔はとても楽しそう。のだめは遠い客席から指を伸ばして、目を細めてその左手の、小指に焦点を合わせた。

「ゆびきり」
げんまんうそついたらはりせんぼんのます

今は遠い、果たして近づいているのかは分からないしもしかしたら離れているのかもしれない。
それでも私は歩き続ける、私たちは歩き続ける。
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by kanae-r | 2005-08-21 01:04 | 指に関する5つのお題>nodame | Comments(0)

4 誓いを贈ろう

「だいすきです」
「だいすきです」
栗色の小さな頭に手を伸ばす
「だいすき、」
優しく抱え込む
「せんぱい」
「だいすき、だから」
甘い匂いがふわりとするようなそんな感覚
「だから・・・」
その先を彼女が飲み込むのがわかる
だから?と促せば上気した頬がいやいやとすりよせられた
「おねがいだから、」
「おいてかないで」

ああ、なんてことを
でも俺は行くけれど
神様

「・・・のだめ」
頷けない代わりに薬指を手に取り
いつかの紳士がするようにキスをして

おいていくけれど
どこからでも想うから
どこからでも

だいすき、と繰り返すのだめの
背中とひざっこぞうのうしろに手を通して
「運ぶよ」
ベッドに倒せばのだめはすがるように手を伸ばした
酔いは相当まわっている
この、甘えん坊状態になるのはよっぽど呑んだ時だけ―――

上気した頬がうらめしかった
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by kanae-r | 2005-08-20 05:01 | 指に関する5つのお題>nodame | Comments(0)

3 堕ちろ

きっときのうも
きのうだけじゃなくおとといだって
そのまえだってそのまえのまえだって
そしてきょうも

千秋がにこり、と笑んだ。
めったに見られない満面の笑みを見つけてのだめは思わずほわぁと声をあげてしまった。
「のだめ」
信じられないような甘い声。のだめは少しくらくらしながら千秋ににじり寄った。
あぐらをかいて床にはスコアが落ちていたけれども、千秋はひょい、と手をのばして
(のだめはその手が頬に触れると思った)
のだめの髪を掻き分けて
(どきりとした)
思い切り耳を引っ張った。
「いっ!?いたいいたい!痛いですせんぱ」
「ぜったいおまえ」
そうしてのだめの頭を引き寄せる。
「いたっい!」
「ぜったい」
そうして引き寄せて、千秋は顔を寄せたような。
(のだめはそんな気がした。だって近い!)
「・・・・いた」
「だまれ」
(こわ)
そろそろと横目で見ても千秋の表情はみえない、のだめにしてみれば唐突に
「なんの・・香水?」
千秋がくんくん、と臭いをかいでいることに気づいてのだめはあわてる。
「こうすい?いえいえ、そんなものは・・・・あ」

さいきん、きんもくせいの木の近くでおひるねしたりしてるから

「・・・金木犀」
「はい」
千秋がぎゅうとのだめの耳をつねった。
「いったーい!?・・・・あふ」
いつのまにか千秋の左手が腰にまわっていて。これは抱きしめられているのだとおもう。

そう、

「あう」
「ばーか」
のだめがそろそろと右手を千秋の口元へ持っていく。
(きれいなくちびる)
「もしかして、のだめが誰かからもらった香水つけてるとか」

「そうおもったんですか」
返事の変わりに、そのきれいなくちびるがぱかりと開いて、
「っっいっだーーー?!?!」

のだめの中指に、犬歯のあとがあった。

(なんてかわいい彼氏!)
ぺろりとなめたその跡が、どうにもこうにも痛々しかった



++++++



「のだめきっと先輩と同じにおいがすると思いますよ」
そういえば千秋は幸せそうに笑った
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by kanae-r | 2005-08-19 22:52 | 指に関する5つのお題>nodame | Comments(0)

2 話をさせて

ちがう、と俺は言う。そんなのを望んでいたわけじゃない。
のだめだって努力してきたのに!そうして叫んだ彼女の瞳は絶望の色に縁取られていた。
ちがう、そうじゃなくて、ぎらぎら、目の中で何か闘志が燃えている。
今まで通りだったら、いつまでたっても追いつけるはずないじゃないですか!

なるほど、のだめの中にくすぶっていた物はこれだったのか、と少し合点、しかし続ける。
だからってそんな途方もない事していたって、と。
途方も無くない!そうしてまた叫ぶ。光ったのは涙?
それから気づいたのは、自分だって人のことを言えず人もまた自分のことを言えないこと。
そう、これは俺が手を出していい問題ではなかった。けれどもはやのだめは収集がつかなくなっている。


し。

さあ、少しだけ、
少しだけ俺に猶予をください
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by kanae-r | 2005-08-18 22:17 | 指に関する5つのお題>nodame | Comments(0)

1 幸運を祈る

「おきろよ」
「いーやーデースー」
「おきろっつってんのに」
さくさくと着替えつつ千秋はまだまだ布団の中ののだめをにらみました。
「いいかげんにしないとメシ抜きだからな」
「えー、困りマスー」
のだめは困ったように眉間にしわを寄せましたが、千秋にはどうしてもかわいいように思えて仕方ありません。寝癖のたった栗色の髪も、白くて柔らかそうな肌も、あどけないその表情も。
のだめはにこりと笑みます。
「でも真一クンぜったいのだめにご飯抜きなことないですよネ」



図星だった千秋は一気に気持ちがなえました。そうです、いつもいつも最後に折れるのは千秋ですから、いつでも千秋はのだめのためにご飯を作ってあげているのです。
甘やかしているのだろうか愛情なのかこれはなんだ俺はなんだ
思考の沼に片足を踏み入れそうな千秋を、のだめの一言がさらりと救いました。
「先輩優しいから」
ふうわりと花のように笑うのだめの笑顔を見て、千秋は肩の力が抜けていきました。
「あーもう、早く起きろよ」
振り切るように話題をすりかえて、ほんの少し赤い顔はそっぽを向いています。
「せんぱいー時間が」
はと見やった時計はすでに八時を越えています。
「ああもう!お前のせいだぞ!」
メシ抜きという話題どころではありませんでした。
「あっ人のせいにしちゃいけないんですヨー」
「知るか!」
急いでかばんを引っつかみ、ドアをあけた千秋をのだめが呼びます。
「せんぱい、がんばって!」

ぐー、と親指を突き出されて、それは幸運を祈るジェスチャーだと千秋は知っていましたが、とても嫌な顔をしました。
「あっこれの意味わかりマス?」
「はいはいじゃあいってくるから!」
いそいで出てきた向こうから、のんびりとした声がいってらっしゃーい、と追いかけました。



風のように出て行った千秋の気配がなくなってしまってから、のだめは両手をうんと伸ばし、それからまた温かな、毛布にくるまりました。
「もうちょっと寝よ」
そうしてすうすうとのだめは千秋の苦労を無下に穏やかな寝息をたてはじめました。
今日もまた穏やかな日々が続いています。
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by kanae-r | 2005-04-07 21:24 | 指に関する5つのお題>nodame | Comments(0)