当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae

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nor

「これ?」
「・・・・」
「じゃあこれ?」
「・・・・」
「・・・あーもう何か言ってくだサイヨ!先輩のバカー!」
「・・・・」
「もうにやにやしてやらしかー!むっつり!」
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by kanae-r | 2005-01-31 22:24 | sss>nodame | Comments(0)

音の雨

あ、きた、と千秋は思った。まるで純正調だ。こんな魔法のようなことはやろうと思っていても絶対に出来るはずがない。才能というか、もはや神業のようにおもう。
魔法のかけることの出来るその指を少しうらやましく思った。
思ったから少しちょっかいを出してやった。ピアノ椅子を半分分けてもらって、
「そのまま続けてろよ」
言っておいて、弾いているそばから。

まるで不規則なしずくのようなキスが降ってきた。頬、髪、首筋、目の隣とか。赤くなってゆく自分が嫌でもわかる。しかもやめるなっていっても!
「そ、れはだめデス」
指が転んだ。千秋は心外、とでも言いたげな顔をする。ああこれじゃあまるで雨の受け皿じゃないか、と思った。しずくのおとはおんがくのようだ。
恥ずかしくなってやめてくだサイ、と言ってしまった。そしたらくすくす笑って彼はやめてくれなかった。
もう知らないデス。
私の音楽が少し彼の雨で変わって、
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by kanae-r | 2005-01-30 00:00 | ss>nodame | Comments(0)

不可逆変化・可逆変化

「ものごとはリスクなしには背負えませんものね」
「こじれないようにずればいいんだろ?」

「でものだめはリスクはあると思うんですヨ」
「オマエ現実主義だな」
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by kanae-r | 2005-01-24 21:08 | sss>nodame | Comments(0)

I Independence 独立・自立

「ねぇ千秋のだめがんばってるみたいだねむこうで」
「・・・・・・」
「ねぇ千秋そんな落ち込まないで今日はピザでも食べに行こうよ。いい店知ってるんだ」
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by kanae-r | 2005-01-16 21:09 | 価値観>nodame | Comments(0)

せいじゃく、そして。

雪、やんだぞ。言われてのだめは目をあける。千秋の上から身を起こすと、窓の外は曇り空に白の化粧。屋根も道も白く、のだめはほう、と息をついた。
大川ってあまり雪降らないんですよね。だからうれしい。
のだめが外行こうかなーと心持ちうきうきめに言うと、眠たげな千秋の声がダメ、と言った。
長い腕がするりと伸びてのだめの首に巻きつき、そのままのだめを引き寄せる。
・・・ぬくい。
目を閉じて千秋が言う。のだめはその端正な顔をじっと見て、先輩猫みたい、と言った。
おまえは・・・あてはまらねぇなぁすでに変態動物だから。
・・・・・・ウルサイですよ。
珍しい日だ、とのだめが思う。千秋が甘えてきているような気がするのは単なる気のせいなのだろうか。
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by kanae-r | 2005-01-15 00:17 | 連>nodame | Comments(0)

せいじゃく

しんしんと降る雪は全ての音を飲み込んで、静かな昼間を作り出した。
切り取られて空間に二人、という奇妙な感覚。
静か。窓の外を眺めていたのだめが呟く。
ピアノの前に座っていた千秋が鍵盤から指を離すと無音の静寂がやってきた。
とても静かな気持ち。何となくのだめは人肌が恋しくなって千秋のところに戻る。
ぎゅう、と頭を千秋の胸板へ押し付けると、心臓の気配を感じた。
静か、デス。そう呟くと、顔は見えなかったけれど、微笑む気配がした。
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by kanae-r | 2005-01-12 20:19 | 連>nodame | Comments(0)

「恵」

「・・・・・・・・・もういっ」
「もういい死ね」
「ふぉぉそんなこと言わないでくだサイもう一回だけ」
「ほんといいからもう」
「先輩先輩おねがいデス~」
「ああもう近寄ってくんな」
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by kanae-r | 2005-01-10 00:07 | sss>nodame | Comments(0)
千秋ははぁ、と息を吐き出した。白く白く息が消える。パリの夜は深いが今日の満月は煌々と光り、川の水面はきらきらと光って、街には月の影が出来るほど。
長袖一枚で外に出るにはかなり寒い。それでも何となく外に出たのは雲が途切れてきれいに月が出たから。
のだめは今日帰ってくるということだったが(正確には昨日)もう深夜だから、きっと明日(正確には今日)帰ってくるのだろう。今日(昨日だが)は千秋が迎えに行けなかったし明日も行けないので少々残念に思う。それでも自分が帰ったらお帰りと言ってくれる存在のあることをとても楽しみにしていた。
のだめに会うのは本当に久しぶりだ。彼女は変わっただろうか。もうすぐ会えると思うと、柄にも泣く千秋は幸せな気分になるのだった。
それとも、俺は変わっただろうか、成長したのだろうか。地道な試行錯誤の日々が続く。それはとてもそれで楽しいことだけれど、”楽しい”で終わらないのが音楽の道だ。
一生かけても報われないかもしれない。それでも俺は全力をかけたいのだ。
そもそもパリへ連れてきてくれた、大切な役割を果たしてくれた彼女。最初は本当にピアノにしか興味がなかったけれど。ずかずかと、するりと、いつのまにか俺の深いところへ入り込んで、窓を開けて風を入れてしまった。気づいてみれば、手放せない大切なパートナー。今頃はパリの宿を取っているのか、あるいはまだウィーンか。
車の音が遠くから近づいてくる。夜の街には必要以上に響いた。
深く息を吸う。冷たい空気は肺のおくにまで沁みわたった。
車はタクシーだった。ライトが近づいて、アパルトマンの下で止まったのであ、と思う。
それでも乗客はなかなか降りない。誰だろうと思っていると暫くして運転手が降りてきて後部座席のドアを開けて、それから、栗色の髪とワンピースコートの。
「のだめ」
思わず呼ぶと、驚いたように彼女は上を見上げた。そしてすぐに破顔する。
「せんぱい!」
声に出てるうれしそうな顔。髪は少し伸びたのか、少しだけ大人らしく見えるような。
運転手がのだめに荷物を渡して、車に乗り込んだ。千秋は部屋にとって返し、玄関のドアをあけて階段を降りる。ゆるい螺旋の下には蒼い夜が待っている。
外の空気が蒼い。その中にのだめが立っている。待ち焦がれた彼女は駆け出した。深夜二時、新しい楽章は今始まったばかり。
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by kanae-r | 2005-01-08 18:21 | 言葉で綴る漆題-其の弐>nodame | Comments(0)
 物音ひとつ、しない。
耳が痛くなるような静けさだ。深夜と言うものはまったく音がなくなるらしい。
千秋は先ほど目がさめてから、なんとなく眠れなくなって、明日はオフだったのでまぁべつにいいかと完全に起きてしまった。
パリの街は闇に包まれ、昼間は多くの人が行きかう通りには人の影ひとつ見当たらず、街灯だけがぽつんぽつんと、寂しそうに立っている。
川は深い色で沈みこみ、空には星が無数に光る。今夜は新月、空に明るい光はない。
 彼女は今頃何をしているだろうか。ウィーンにいるのだめのことを思う。最近あまり連絡をとっていなかった。千秋が公演を控えていたのでどうしてもやはり時間がなかった。
今日のことを思い出して、千秋は手を見つめる。すごく楽しい音楽だった。すぅと右手で軌跡を描く。1、2、3、4、1、2、3、4。底辺と高さは均一に、ぶれの少ないように。
ふぅと息をつきてをおろしてしまう。基礎の基礎なんてここのところ全くやっていなかったなぁ、と思った。外を見て、頭の片隅で、彼女も今起きてるような気がした。電話の向こうにいるような気が。
千秋はちょっと空中で手をためらわせて、それでも電話に手を伸ばした。
 トゥルルルルル――
 深夜に音が大きく響いて、千秋は慌てて受話器をとる。周りが起きやしないかと、すこしどきりとした。相手は。
「―――のだめ?」
小さな声で尋ねる。暫くの間ののちに、せんぱい?と驚きと疑問の混ざった声がした。ききなれた、ききたかった声が。
千秋はふ、と顔を崩して笑う。
「・・・・・・すげぇ。シンクロした」
―――せんぱいおきてたんですね
柔らかい声が、笑いを含んで言った。
くつくつ笑って千秋は答える。
―――どうでした?きょうの公演
「うん、すごい気持ちよかった」
―――よかったデスね おつかれさまでした
受話器越しに微笑む気配がした。
「――おまえ、どうしたの」
―――なんか、目が冴えちゃって
「そっか」
―――せんぱいもおきてるような気がしたんデスよ
「・・・・・・・うん」
くつくつ笑うと、向こうもふふ、と笑った。
「元気だったか?」
―――ハイ、ぜんぜん元気いっぱいデス!
「うん よかった」
―――こっちのヒトとも仲良くやってマスよ
「うん」
いつもよりずっとスローテンポで丁寧な会話。彼女の声がいつもよりもずっと近い。
きっとこんなよるで、こんなしずかだから。
会話と会話の間に出来る間も、むしろ心地よいくらいだった。
時間はとてもゆっくり、丁寧に流れてゆく。会えない時間を埋め合わせするように、緻密な時間が流れてゆく。

 どれくらい話していたのか、ようやく会話も一段落したころに。
―――ねぇせんぱい
「ん?」
―――のだめ、もうそろそろパリにかえれそうデス
「ほんとか!?」
―――ハイ、あらかた公演も終わりましたし・・・楽しみにしててくだサイ!
のだめがウィーンに客演として呼ばれてから二ヶ月、公演のための合わせ練習も含め、一人でのだめは頑張っていた。いろいろな団体と演奏できたことはのだめにとって大きな糧となったはず。千秋はゆるゆると息を吐いた。
「うん 楽しみにしてる」
―――ハイ!
のだめの声はうれしそうだ。
 しずかなよる、こんなしずかなよるだからだろう、言い出せなかったことが言えてしまったのはきっと。
「・・・・・・なぁ のだめ」
―――ハイ?
「・・・・・・おまえがウィーンから・・戻ったら・・一緒に暮らそう」
―――・・・・・・
言葉はあっけなく出て行ってしまった。千秋は胸のあたりがすぅすぅした変な気持ちになる。今まで恥ずかしさで言えなかったこと。この決定的な一歩――いままで千秋がどれだけ苦労してきたか――その線は意外にもあっけなく通り過ぎてしまった。
なんとなく体から力が抜けた。
「・・・・・のだめ?」
返事の返ってこない向こうに千秋が問う。
ごにょ、となにかのだめが言ったような気がして、なに?と言った。
―――ほんと、デスか?
ちいさくちいさく言われた声が、涙混じりなことに気づいて。
千秋は優しく答える。
「ほんとうだよ」
すん、と鼻をすするのが聞こえた。
―――せんぱい、大好き
今度こそのだめが涙声で言う。千秋はこくり、と喉を鳴らして、はっきりと答えた。
「・・・・・俺も」

笑い泣きしている電話越しの彼女が、どんな顔をしているのかがなんとなくわかって、思わず優しく笑ってしまう。こんなことが言えるのは、きっとこんなに静かな夜だから。

宵闇は優しく深く、どこまでも続いている。
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by kanae-r | 2005-01-07 23:32 | 言葉で綴る漆題-其の弐>nodame | Comments(0)

それから

そうして千秋は目を閉じました。やさしくのだめは千秋の頭を抱きかかえて、まるで小さな子供をあやすように優しく優しく言ったのです。大丈夫ですよ。千秋はうん、と言ってのだめを抱きしめます。あたりはほんのりと白く薄づき、もうすぐ新しい一日の始まるかんじがしました。
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by kanae-r | 2005-01-07 07:50 | sss>nodame | Comments(0)