人気ブログランキング | 話題のタグを見る

当ブログsoireeは管理人kanaeによる雑多な二次創作を扱っております。苦手な方等はご容赦ください。


by kanae
カレンダー
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31

それから

そうして千秋は目を閉じました。やさしくのだめは千秋の頭を抱きかかえて、まるで小さな子供をあやすように優しく優しく言ったのです。大丈夫ですよ。千秋はうん、と言ってのだめを抱きしめます。あたりはほんのりと白く薄づき、もうすぐ新しい一日の始まるかんじがしました。
# by kanae-r | 2005-01-07 07:50 | sss>nodame
夜は暗く深く
音もなく
五感が鋭敏になったのかそれとも緩慢になったのか
そこにあるのは自分の体温だけ
その温かさがぽっかりと海に浮かんでいるような寂しい錯覚をおこす


月のない夜は、こんなにも静かなのか




冴えてしまった目は冷たいモノクロームの配列を映している。
ひやりとした感触を楽しむように鍵盤に触れた。
風が素肌を撫でていった。音はしなかった。


音楽はたまにとんでもない方向へ連れていってしまうので時々困ることがある
そのときに触れる命の渦に、素手で触ってはどきどきする
耳の奥のどこかと
感覚が

でも確かなものがそこにはあった




のだめは目を閉じる。



夜は暗く深く
音もなく
五感が鋭敏になったのかそれとも緩慢になったのか
そこにあるのは自分の体温だけ
その温かさがぽっかりと海に浮かんでいるような寂しい錯覚をおこす


目を閉じればそこには確かに光明があった。
# by kanae-r | 2005-01-04 23:57 | 言葉で綴る漆題-其の弐>nodame
おそるおそる、といったように手の先に触れられた。見れば不安げな表情で彼女はこちらを見ていた。千秋は、ふと笑ってその手を握る。
その手が意外に冷たくて、もう一度包み込むように握りなおした。
電光掲示板はちかり、と『搭乗中』へと文字を変える。さぁ、と千秋は少し促した。
重そうなボストンバッグを持ち上げて、のだめは千秋を見つめた。
元気で、とありきたりの言葉を言う。
ハイ、先輩も。のだめが答えた。
ゆるゆると手が離れた。泣き出しそうな顔をしているので思わず頬を緩める。
がんばれよ、泣き言言って帰ってくんなよ、皮肉を交えれば、先輩こそ、といつもの切り返し。今度こそのだめがじゃあ、と言って歩き出す。その背中は小さいけれど堂々と背筋が伸びていた。
いつまでもお守りでいるわけにはいかないから。
一度も振り向かずに行ってしまったその背中を見送って、千秋は踵を返し歩き始める。
彼女は彼女で、きっと切り抜けられるようになるだろう。臨機応変な対応も、人間関係も。
次に会うのがいつなのか二人はわからないけれど。千秋はパリで、のだめはウィーンで、また新たな一歩を踏み出す。次の再会には、きっと変わってるところもそのままなところもあるだろう。それでも音楽のつながりはかわらないはずだ。
音楽でつながってる、ですよネ?
出発前ののだめの言葉。確かにそのとおりだよ。
パリの空は晴れている。冬の始まりはもうすぐそこ。雲ひとつない空が、彼女の行き先を快く示してくれますように。
# by kanae-r | 2005-01-03 08:50 | 言葉で綴る漆題-其の弐>nodame

rejoice in

 本当に恵まれているのは、運がいいこと。それはたった一人と会えたことにも同じ。

メシだぞ、と呼びに行くと、ソファに倒れこむようにしてのだめが眠っていた。
よほど疲れていたのか、帰ってすぐ眠り込んでしまった様子が伺える。
うつ伏せで少々首が痛々しいので千秋はそぉっとのだめを抱えおこした。むにゃむにゃ何かしゃべったようだったけれど、優しく抱え込む。
思ったよりも軽いので、少しどきりとした。覗き込めば寝顔はまさに子供のよう。頬は少し上気していた。邪気のない姿に、千秋は少し微笑む。
「おまえのおかげかもな」
ここまで一緒に来れたこと。今や世界的に有名になりつつある千秋真一はエプロン姿でピアニスト野田恵を抱きかかえていた。千秋が柔らかな栗色の髪の中に、顔をうずめるとのだめは少しだけ身じろぎした。
# by kanae-r | 2005-01-02 07:40 | sss>nodame

ワルプルギスの夜

「・・・・・・・大丈夫ですヨ!元気出してくだサイ!」
「・・・うるさい」
「いいデスよ?のだめでよければ相談に乗りマス!」
「あーもうほんといいから・・・」
# by kanae-r | 2005-01-01 23:36 | sss>nodame