03 藍玉 : 好奇心は夢を落とすか
2014年 02月 09日
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「なみだのあとがついてるよ」
病室で目を覚ました時、ベッドの隣にはやさしいボンゴレの10代目がいて、ふわり、とやわらかく笑んで、天使様だ、と一瞬ブルーベルは思った。
ほんとうは、ブルーベルにとって、大切な人は白蘭だ。
それでも、その白蘭が、ボンゴレの10代目を大切にしているから、ブルーベルもボンゴレの10代目を大切にしなければならないのだ、と白蘭と正一に教わった。
「ツナヨシ・・?」
身を起こすと、何故涙が出ていたのか、夢の内容を忘れてしまった。
「びゃくらんは・・?」
「いま、治療中」
先だっての争いで、綱吉の守護者の一人が負傷した、とは聞いていた。
ブルーベルも狙われて、そしてここに運ばれたのだった。
は、と指元を確認すると、そこにはマーレリングが確かにあって、ほ、と安心の息をつく。
白蘭と、ユニから預かっている大事なもの。
「ああ、かわいそうに」
ブルーベルの長い髪が、少し焼けて焦げていた。
炎というものは、いつもとても恐怖を呼び起こす。なので、炎の遣い手である綱吉の戦闘は、絶対近づきたくないものだった。
それでも今回、すこし巻き込まれてしまった。
やさしく髪をすかれて、緊張していた肩から力が抜けていく。
「こわいゆめ、みていたのかな」
「覚えてない?」
「うん、くるしかった、ような」
未来の記憶、というものを、ブルーベルはすべてもらえたわけではなかった。
必要最低限の知識は確かに、ユニから教えてもらってけれど、
きっとつらいだろうから、とすべてをもらえたわけではない。
それでもいつも、夢の中で、何かを思い出しそうになる。
くるしい、あつい、みず、みず、みず。
ぶるり、と身を震わせると、ぎゅ、と綱吉が身体を抱いてくれた。
全てをすかすような、琥珀色の瞳が細められる。
「眠れなくなったら、俺の部屋においで」
「・・?」
「ゆっくり眠れるように、まもってあげるからね」
ほんとうは、白蘭があまりにも綱吉やユニのことしか見ていないので、ブルーベルはいつも、悲しい。
このかんじょうはきっと、嫉妬だとおもう。
けれどそれ以上に、綱吉がブルーベルや、その仲間達の心を救ってくれているのに、
ほんとうは、気付いている。
「なみだのあとがついてるよ」
病室で目を覚ました時、ベッドの隣にはやさしいボンゴレの10代目がいて、ふわり、とやわらかく笑んで、天使様だ、と一瞬ブルーベルは思った。
ほんとうは、ブルーベルにとって、大切な人は白蘭だ。
それでも、その白蘭が、ボンゴレの10代目を大切にしているから、ブルーベルもボンゴレの10代目を大切にしなければならないのだ、と白蘭と正一に教わった。
「ツナヨシ・・?」
身を起こすと、何故涙が出ていたのか、夢の内容を忘れてしまった。
「びゃくらんは・・?」
「いま、治療中」
先だっての争いで、綱吉の守護者の一人が負傷した、とは聞いていた。
ブルーベルも狙われて、そしてここに運ばれたのだった。
は、と指元を確認すると、そこにはマーレリングが確かにあって、ほ、と安心の息をつく。
白蘭と、ユニから預かっている大事なもの。
「ああ、かわいそうに」
ブルーベルの長い髪が、少し焼けて焦げていた。
炎というものは、いつもとても恐怖を呼び起こす。なので、炎の遣い手である綱吉の戦闘は、絶対近づきたくないものだった。
それでも今回、すこし巻き込まれてしまった。
やさしく髪をすかれて、緊張していた肩から力が抜けていく。
「こわいゆめ、みていたのかな」
「覚えてない?」
「うん、くるしかった、ような」
未来の記憶、というものを、ブルーベルはすべてもらえたわけではなかった。
必要最低限の知識は確かに、ユニから教えてもらってけれど、
きっとつらいだろうから、とすべてをもらえたわけではない。
それでもいつも、夢の中で、何かを思い出しそうになる。
くるしい、あつい、みず、みず、みず。
ぶるり、と身を震わせると、ぎゅ、と綱吉が身体を抱いてくれた。
全てをすかすような、琥珀色の瞳が細められる。
「眠れなくなったら、俺の部屋においで」
「・・?」
「ゆっくり眠れるように、まもってあげるからね」
ほんとうは、白蘭があまりにも綱吉やユニのことしか見ていないので、ブルーベルはいつも、悲しい。
このかんじょうはきっと、嫉妬だとおもう。
けれどそれ以上に、綱吉がブルーベルや、その仲間達の心を救ってくれているのに、
ほんとうは、気付いている。
by kanae-r
| 2014-02-09 14:19
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